広東省茂名化州市では11月28日から、火葬場の建設に反対する抗議運動が行われた。数千人の住民が加わった大規模な運動は、「光復茂名、時代革命」(茂名を取り戻せ、時代革命)「茂名反抗」などの香港民主運動のスローガンをまねた表現を使用している。当局は12月1日、逮捕者を釈放し、同市の代理市長が市民との対話で建設の中止を約束した。
中国の主要なソーシャルサイト微博では住民らが撮影した映像が共有され、海外のサイトにも転載されている。機動隊は催涙弾を発射した。住民は花火や爆竹を投げたり、石や棒を武器にしたりして警察隊に対抗している。
発端は、化州市政府が先日、村の老人たちを集めて村に「自然公園を建設する」と言って同意の署名をさせた。しかし、政府から何の説明もなく実際の計画は公園建設ではなく火葬場であることが24日に判明した。住民は反対運動を始めた。公開された情報によると、総面積146エーカーの土地に火葬場、墓地、通路などが建設される予定だった。
11月28日、当局は多数の機動隊を導入して化州市のすべての主要道路を遮断し、人や車両の通行を阻止した。数千の盾を構えた機動隊が住民を追いかけ、警棒で叩く様子が収められている。複数の住民が負傷した。抵抗はさらにエスカレートしている。
抗議に参加した文楼鎮の住民の黄さんは「昼間の衝突で、機動隊と私服警官が住民たちを追いかけて逮捕した」と言った。29日、抗議運動から帰宅した参加者の多くも自宅から、警察に連行された。
化州市文楼鎮の匿名の住民は、大紀元メディアグループ・新唐人テレビの取材に対して、「警察側はヘリコプターやドローン、武装車両を投入して、住民を村から締め出すつもりだ」と述べた。茂名市の住民である呉さんは、「29日はゼネストが呼びかけられ、5千人以上が抗議に駆け付けた」と話した。
微博に投稿された住民の声によると、「文楼町の全村民は抵抗することを誓ったが、警官に鎮圧された。特別警察は複数の学生と高齢者にケガを負わせた」。撮影した映像をインターネットに投稿しようとしても、ブロックされたという。茂名の抗議運動がすでに検閲対象になっていることを示唆する。
抗議活動の中で、住民らは香港デモのスローガン「光復香港、時代革命」をまねて「光復茂名、時代革命」を叫んでいた。また、香港抗議者と同じように、火葬場の建設中止、警察の暴力、逮捕者の釈放、公金負担で破壊された器物の修理、建設予定地の緑化など「五大要求」を打ち出した。
29日、同市の代理市長は抗議者と対話し、「今後も火葬場は建設しない」と態度を軟化させた。
30日には、化州役場に数万人の住民が集まり、拘束された住民の無条件釈放を求め「放人、放人(住民を釈放せよ)」とスローガンを叫んだ。香港紙・蘋果日報によると、200人前後が逮捕されたという。
この抗議活動には全ての村からの参加者がおり、住民は「香港デモのように全員参加している」と同紙に述べた。
同日夕方、バス2台分の逮捕者が釈放された。一部の住民はまだ拘束されている。
フランス国営放送RFIは、香港デモが中国本土に飛び火することに中国当局は神経をとがらせているため、茂名のデモを短時間で収束させたと分析した。
(翻訳編集・佐渡道世)