中国電子商取引(EC)アプリ「淘集集」の親会社である上海歓獣実業有限公司(以下は上海歓獣)は12月9日早朝、淘集集が倒産手続きに入ると発表した。昨年8月にサービスを開始してからわずか1年余りで破たんした。
淘集集の創業者で最高経営責任者(CEO)の張正平氏は声明で、他の企業と進めていた企業再編計画が失敗に終わり、資金支援を得られなかったため、今後再建型または清算型の倒産手続きを始めると述べた。同社の負債額は16億元(約247億円)に達したという。
張氏が8日、社員に向けて送った知らせでは、同社が利用する電子決済サービス、支付宝(アリペイ)の口座が凍結されたため、11月分の給料を予定通りに支給できなくなったとした。支払いは倒産手続きの完了後になるという。
中国紙・新京報9日によると、淘集集の経営破たんを受けて、上海市にある同社の本部前には資金回収を求める取引先の関係者や淘集集の出店者が多く集まった。
淘集集の主な利用者は中小都市に住む月収2000元以下(約3万872円)の住民だ。同アプリは靴やアパレル、子ども用品、食品、生活雑貨など取り扱う。利用者が家族や友人を誘い、グループで買い物をする場合、その人数が淘集集の条件に達せば、割引優遇制度を受けられる。このため、利用者は一時、1億3000万人に達した。
中国メディアによると、今年に入ってから、淘集集の赤字が12億元(約185億円)に拡大した。国内で電子商取引企業が乱立するなか、淘集集は事業拡大に莫大な資金を投じたが、他社との差別化を図れず、収益力の強化ができなかったことが、経営難に陥った主因だという。
(翻訳編集・張哲)