フィリピン入国管理局と警察当局は、オンライン投資詐欺と無許可労働の容疑で、ケソン郊外にある国際貿易センタービル内にいた300人以上の中国人を逮捕した。
当局によると、今回の捜査で342人の中国人を検挙した。これは、不法滞在の外国人労働者に対する全国的な取り締まりの一環で、ケソン市警察と連携して行われた。今回、一度の逮捕者数では過去最多となった。
移民局のハイメ・モレント局長は報道発表で、逮捕された中国人は、フィリピンのゲーム会社から就労ビザや適切な許可を得ずに仕事をしていた。捜査当局者は、数千台の携帯電話を押収した。
フォーチュナト・マナハンJr情報部長は、ゲーム会社が複数の名前を使っており、違法なサイバー活動や投資詐欺を働いている可能性があると述べた。
部長によると、今回の捜査は中国政府と連携したという。「中国政府は同社が違法な活動に関与していることを認めた。被害者は、主に中国人だ」。また、中国政府は、犯罪に関与した人物のパスポートを失効させるという。
フィリピン当局は11月にマニラ郊外のパサイ市で、同様の投資詐欺に関与したとして外国人512人を逮捕し、312人の中国人を強制送還した。他はインドネシア人、マレーシア人、ミャンマー人、台湾人、ベトナム人。
9月、同様のオンライン詐欺でマニラ首都圏のパシグ市で277人の中国人を逮捕した。その翌週、当局はパラワン州で324人の中国人を逮捕した。
政府の記録によると、約20万人の中国人がフィリピンで働いており、その大部分は、同国のオフショア・ゲーミング・オペレーター(POGO)や、中国人を対象としたその他のオンラインカジノで働いている。フィリピンは、POGOに対して特別ビザを発行しており、13.8万人が外国人労働者という。国内紙インクイラー9月の報道によると、POGO職業全体でも、フィリピン人は17%程度に留まる。
中国国内では賭博の営業は禁止されており、スポーツロトやネットくじも販売規制が厳しい。
フィリピンには相次ぎ中国人労働者が流入している。 「中国人労働者の存在は、オフィスや商業施設の賃貸料の高騰とともに社会問題を引き起こしている」として、一部の国内団体から活動抑制を求める声が上がっている。
これに先立ち、ドゥテルテ政権のロレンツァーナ国防長官は、中国人労働者の流入に警鐘を鳴らした。同氏は、中国人を雇用していることが知られているカジノを、中国政府がカジノ周辺のフィリピン軍や治安施設を監視するための隠れ家として利用している可能性があると指摘した。
(翻訳編集・佐渡道世)