中国本土で「ファッション通販のパイオニア」と呼ばれた若手女性向けネット通販「蘑菇街(モグジェ)」は、2019年以降、株価が急落している。本土の購買力の低下を示しているとの見方がある。
モグジェは2016年に中国女性限定のクチコミソーシャルサイト「美麗説」と合併。市場総額は200億元に達し、アリババ、京東(JD)、唯品会(Vipshop)に次ぐ中国第4位のネット通販プラットフォームとなった。
公開資料によると、2011年に創設されたモグジェはファッションと買い物をテーマにした女性向け通販兼ソーシャルサイトとしてオープン。サービス開始から間もなくして数十万人を超える女性ユーザーが登録し、毎日の買い物体験を共有した。
モグジェは2018年12月、ニューヨーク証券取引所に上場した。現在、ピーク時の一株あたり25.69ドルより90%近く下落し、市場総額は173億ドル蒸発した。上場初日から株価は17%超も下落し、その後も続落。2020年1月3日の終値までに2.47ドルとなった。
実際、モグジェの業績は惨憺たるものだった。決算報告によると、2019年第3四半期、普通株主に帰属する純損失額は3億2700万元で、上場から数えて四半期最大の損失額となった。累計損失額は14億9000万元。
モグジェの利用者数も減少した。公表データによると、2017年第3四半期から年間利用者は3000万人前後を推移していたが、2019年第3四半期末時点で570万人以上減少した。
打開策として、2018年には金融サービスを提供し、2019年夏はジュエリーやメークなどのライブ配信と通販を行った。しかし、広報と人件費を賄うことができず、赤字を重ねた。景気を占う独身の日(11月11日)も、話題の中心はアリババ、京東、蘇寧、唯品会に集まり、モグジェの失速が鮮明になった。
2019年第3四半期、売上高は1億9800万元と前年同期比15.3%の大幅減で、過去最大の下げ幅になった。
ある業界関係者によると、中国本土の経済が下火になった影響で、消費意欲が衰え、購買力が低下し、苦境からモグジェの逆転は考えにくい状況にあるという。
(周心鑑/翻訳編集・佐渡道世)