新型コロナウイルスが猛威を振るう中国では、浙江省の温州市と楽清市がこのほど、湖北省に次いで、住民の移動制限と道路封鎖の措置を実施し始めた。現在、中国では少なくとも27の市政府が移動規制を導入している。
楽清市は2月4日午前、同日午後6時から、市外に向かう高速道路や国道などを封鎖すると発表した。また、市内のすべての企業や一部の商業施設に対して、生産操業の停止と営業停止を命じた。学校にも休校の延長を命じた。さらに、市民に対して、生活用品の買い出しの外出について、週2回と各世帯2人に限るとした。特別な事情がない場合、市民は自宅を離れてはいけないという。
温州市政府は2日未明に、封鎖措置の実施を発表した。市民に対して、生活必需品の買い出しの外出は2日に1回、各世帯1人に限ると決めた。また、54の高速道路の料金所のうち、半分以上が閉鎖された。
国内メディアの報道では、浙江省の新型コロナウイルスによる感染者は湖北省に次いで多い。
一方、江蘇省南京市と徐州市、浙江省杭州市と寧波市、山東省臨沂市、黒竜江省ハルビン市、福建省福州市など各省の10都市で、2月4日に次々と移動規制措置を公表した。南京市は、住宅地に検問所を設置し、住民の体温を測り、マスクの着用状況をチェックするとした。寧波市は、マスクを着けていない市民は公共施設への出入りを禁止にした。広州市は、市内の企業に生産操業の再開を延期するよう指示した。河南省駐馬店市は、市民の生活用品の買い出しについて「5日に1度、各世帯1人に限定する」と最も厳しい規制を発表した。
湖北省内では武漢市、隣接の黄岡市と孝感市に続き、2日、黄石市など14の市も道路封鎖を導入した。医療、消防、物流用の車両のみの通行が許可される。
中国当局の指令で、2月9日まで休業する企業が多い。10日の操業再開に向けて、一部の都市でUターンラッシュが始まっている。各市政府の移動規制は、Uターンラッシュで人口の大移動に伴う新型ウイルスによる感染拡大を防ぐ対策だとみられる。
(翻訳編集・張哲)