台湾外相、米3紙に台湾拠点設置を提案 中国の記者証取り消しで

2020/03/30 更新: 2020/03/30

台湾の外交部はこのほど、ソーシャルサイト上で、中国政府により本土、香港、マカオの記者証をはく奪された大手3紙の米国籍の記者に対して、「自由と民主主義の標榜である台湾」での取材拠点設置を提案した。

呉剣燮外相は28日、ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストウォール・ストリート・ジャーナルの米大手3紙に呼び掛けて、「中国(共産党政権)の脅威が日増しに強くなるなか、台湾に拠点を置くことを歓迎する」と書き込んだ。

2020年2月、米国国務省は新華通信社、CGTN(中国グローバルテレビジョンネットワーク)、中国国際放送局、チャイナデイリー、人民日報海外版の米国支局を「外国代理人」に指定した。3月17日、中国側は報復として、米国の5つのメディアに対抗措置を取ると発表した。中国政府は前出の米大手3紙の米国籍記者に対し、10日以内に記者証の返却を求めた。事実上の退去命令だ。また、今後の中国本土、香港、マカオでの取材活動が禁止された。ほかにも、米政府が出資するボイス・オブ・アメリカ、ラジオ・フリー・アジアに対して、活動の報告義務を課した。

この報復措置の約一週間後、ニューヨーク・タイムズの発行人A.G.サルツバーガー氏、ウォール・ストリート・ジャーナルの発行人ウィリアム・ルイス氏、ワシントン・ポストの発行人フレッド・ライアン氏が共同で公開書簡を掲載した。書簡は、記者の強制退去の撤回を求めると同時に、「より広いレベルで、これまでに起きた報道機関への取り締まり」を緩和するよう訴えた。3人は、流行する感染症の危機にあるなか、報道と情報の自由が必要であると強調した。

台湾外交部は28日の投稿で、呉剣燮外相の言葉として「皆さんが中国で敵意の高まりに直面しているとき、台湾での事務所開設を歓迎する。自由と民主主義の灯台である台湾では、われわれは両腕を大きく開いて、笑顔で皆さんを迎え入れます」と書き込んだ。

 

(翻訳編集・佐渡道世)

関連特集: