<中共ウイルス>中国当局が1月上旬人から人への感染を把握 内部資料示す

2020/05/02 更新: 2020/05/02

大紀元がこのほど取得した内モンゴル衛生当局の内部資料から、1月上旬、中国当局と世界保健機関(WHO)が「人から人への感染」を否定していた当時、中央政府は各地方政府に早急に専門家チームを立ち上げ、「人から人への感染」の阻止を指示したことがわかった。

4つの事実

大紀元は、内モンゴル自治区の衛生健康委員会が1月15日に公布した「新型コロナウイルスによる肺炎感染症例の治療に関する内モンゴル自治区衛生健康委員会の緊急通知」を入手した。

内モンゴル自治区の衛生健康委員会が1月15日に公布した緊急通知(大紀元)
内モンゴル自治区の衛生健康委員会が1月15日に公布した緊急通知(大紀元)

同通知には、「特急(大至急)」との文言が記され、「非公開」や「内部閲覧に限り、インターネット上に投稿してはならない」との注意書きもあった。

内モンゴル衛生当局は通知で、各地の感染拡大防止を指導するために、「国家衛生健康委員会は新型コロナウイルス感染症の診断・治療および感染拡大抑制の方針を制定した。これによって、診断・治療の方案、事前(検温)問診・分散診察および発熱外来に関する基準、最初の症例確認の手順、院内感染の防止および医療従事者の感染防止に関する規定を(自治区内の)各地に伝える」とした。

また、通知は、自治区衛生当局は「新型コロナウイルス感染症の医療専門家チームを立ち上げた」とし、自治区の管轄下にある各盟・市に、呼吸器内科や伝染病、臨床検査、(CTなどの)画像、院内感染を含む専門家チームを構成するよう指令した。

大紀元は、同自治区シリンゴル盟の衛生健康委員会が1月15日に公開した「医療機関の外来診療(事前問診・分散診察)における発熱患者の登録に関する通知」も取得した。同通知は、管轄下の各旗・県・区に対して、「発熱患者の名前登録、徹底的検査を強化し、報告するよう」要求した。

内モンゴル自治区シリンゴル盟の衛生健康委員会が1月15日に発行した通知(大紀元)

これらの内部資料を見ると、4つの事実が見て取れる。

まず1つ目は、中央政府の衛生当局は1月15日よりも前に、中共肺炎(新型コロナウイルス)の診断・治療指針を策定した。

2つ目は、1月15日までに、中央政府が各地方政府に感染症専門家チームの設置を要求した。内モンゴル自治区衛生当局はすでに専門家チームを構成したが、管轄下の行政部門にも医療専門チームを設置するよう指示した。

3つ目は、1月15日時点で、中央政府はすでに、中共肺炎の感染力の強さを把握していた。主要症状が発熱であるため、各地の医療専門家チームに呼吸器内科の専門医師や伝染病研究者を加えるよう命じ、「事前問診と発熱外来患者への検査」を強化した。

最後は、中国当局は1月15日よりも前に、すでに中共ウイルスの「人から人への感染」のリスクを把握し、各地の衛生部門に「医療従事者の感染防止」措置を強調した。

遅い診断・治療方針の公布

また、中国の国家衛生健康委員会弁公庁が1月18日に発行した通知で、「新型コロナウイルスによる肺炎の診断・治療方案(試行第2版)」と「全国各省(区・市)における新型コロナウイルスによる肺炎の最初の感染症例の確認手順」を修訂したと示した。

国家衛生健康委員会弁公庁の1月18日付通知(大紀元)
国家衛生健康委員会弁公庁の1月18日付通知(大紀元)

当局は1月18日付の通知で、中共肺炎の診断・治療方案などの情報について「公開してはならない」と各地に命じた。

中国メディア「財新網」によれば、国家衛生健康委員会は1月15日、「新型コロナウイルスによる肺炎の診断・治療方案(試行第1版)」を作成した。1月18日の試行第2版と同様に、試行第1版も公開を禁止された。

中国衛生当局は1月23日、初めて同方案の試行第3版を公にした。

情報筋から取得した同方案の試行第2版では、「2019年12月以降、湖北省武漢市の一部の病院で感染症例がみられた」「新型コロナウイルスが引き起こした急性呼吸器感染症であることを確認した」との内容があった。

この試行第2版において、国家衛生健康委員会は、ウイルスの病原学的特徴、感染症状の臨床的な特徴、感染症例の定義、識別診断、患者への治療、隔離、退院の基準などについて、明確な基準と手順を示した。中国当局は1月18日の時点で、中共ウイルスについてある程度の研究を進めていたことがわかる。

中国国家専門家チームトップの鍾南山氏は1月20日、国営中央テレビ(CCTV)の番組に出演し、中共ウイルスの「人から人への感染」を初めて認めた。最高指導部の指示があったとみられる。

(記者・何堅、翻訳編集・張哲)

関連特集: