米国政府は何年もかけて何百万ドルも費やして、ドナルド・トランプ大統領がロシアの共謀調査を妨害した疑いについて、くまなく調査したが、最終的には失敗に終わった。
最近明るみに出た事実に基づいて、考えられないようなことを考えてみよう。私たちの列聖されたバラク・オバマ前大統領は、同じ調査の妨害の疑いのために刑事調査を受けるべきではないだろうか?
モラーの報告書に書かれているように、司法妨害には捜査を妨害しようとするあらゆる試みが含まれる。中に失敗した試みも対象となる。ウィリアム・バー司法長官は、法律を厳格に解釈し、捜査における証拠の入手や、捜査の行方に影響を及ぼすあらゆる試みが司法妨害であると限定している。
さて、われわれの最初の質問は非常に単純だ。2017年1月5日にオバマ前大統領が国家安全保障局の高官と会った際、ロシアの共謀調査で集められている証拠を、次期大統領のトランプ氏と彼の国家安全保障チームには共有しないことについて何か議論があっただろうか。もしあったなら、証拠の入手を制限しようとする「試み」となるのではないだろうか?実際そういうことになる。
オバマ氏の支持者からの反論は次のようになるだろう。司法長官が犯罪捜査を担当しており、司法長官や彼の捜査官に証拠を隠ぺいすることは犯罪だというのが一般的な認識だが、これは大統領に隠ぺいすることとは異なる。
この見解によると、ロッド・ローゼンスタイン司法長官代理(ジェフ・セッションズ司法長官は調査から身を引いた)に証拠を隠ぺいしない限り、問題はない。この考え方に基づくと、トランプ氏から証拠を隠すことは許されるだけではなく、賢明な策だった。トランプ氏が司法長官の調査に影響を与えることができないようにするためだ。
このような枠組みは一見、ウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン元大統領を辞任に追い込んだ、彼の司法妨害に対する検察の捜査と一致するように見える。ニクソン氏は、詐欺的な隠ぺいによって、司法長官の捜査官であるFBIから「メキシコのマネー・トレール」の証拠を隠そうとした。司法長官はニクソン氏のために調査を行っていたにもかかわらず、ニクソン氏は司法長官の捜査を妨害することができたし、実際に妨害した。
しかし、この比較では決定的な違いを見落としている。「ロシアの共謀」の捜査は、ウォーターゲート事件と違って犯罪捜査ではなく、対敵情報捜査なのだ。
司法長官とFBI(連邦捜査局)は、このような対敵情報捜査に乗り出すことができるが、憲法上、最高司令官として大統領の国家安保権限の範囲内にある。このため、対敵情報捜査を指揮するのは司法長官ではなく大統領である。
したがって、もしウォーターゲート事件と真の類似点があるなら、2017年1月5日、オバマ前大統領と当時の国家安全保障チームは、トランプ氏が率いる新しい国家安全保障チームに対して、これまでに集められた共謀の重要な証拠と、その入手方法を隠ぺいしようと試みたということだ。
国家安全保障問題担当のスーザン・ライス大統領補佐官が2017年1月20日に、オバマ大統領が全てを「ルールにしたがって」行いたいと望んでいるという、奇妙なメモを自分自身に送った理由を今や理解できると記している。もしすべてが本当に「ルールにしたがって」行われていたのであれば、ライス氏はこのようなことを言わないだろう。私たちの分析は、こうしたメモの背後にある彼女の罪悪感を明らかにしている。
ライス氏はメモの中で、オバマ氏はチームに「ロシアに関する情報を全て共有できない理由があるかどうかを確認する」よう指示したと書いている。同じメモで、オバマ氏が当時のFBI長官、ジェームズ・コミー氏に「今後数週間のうちに、次期チームと機密情報を共有する方法に何か変更があった場合は、自分に伝えるよう」指示したと記している。
これらの発言は、オバマ氏が彼のチームに、トランプ氏や次期チームとすべてを共有しないよう指示していたことを意味している。全てを公開するアプローチだったのなら、わざわざ会議を招集する必要はなく、メモを書く必要もない。
すべての情報が次期チーム、特にトランプ大統領と共有されていなかったのは、司法妨害の証拠となる。コミー氏は、彼の最高司令官であるトランプ大統領が調査を指揮していたにもかかわらず、ロシアの共謀調査についてトランプ氏には正直ではなかった。コミー氏がトランプ大統領に情報を提供しなかったことは間違いない。ライス氏のメモから、この隠ぺいは1月5日の会合の結果であると推定できる。
このように、オバマ前大統領が国家安全保障担当者に対し、トランプ氏とそのチームに情報を提供しないよう指示したと結論づけるには、十分な理由があるようだ。これは典型的な司法妨害である。
われわれは彼らが率直に話してくれることを期待していないが、少なくともオバマ氏がつい最近語った「制度的規範」には従うべきであり、彼と彼のチームはマイケル・フリン中将のように精力的にあらゆる角度から調査を受けるべきである。
ジョン・D・オコーナーは元連邦検察官で、サンフランシスコの顧問弁護士で、2005年にディープ・スロートとして暴露したW・マーク・フェルトの弁護を務め、「Postgate: How the Washington Post Betrayed Deep Throat, Covered Up Watergate, and Began Today’s Partisan Advocacy Journalism.」の著者である。
この記事で述べられている見解は著者の見解であり、必ずしも大紀元の見解を反映しているわけではありません。
(大紀元日本ウェブ編集部)