中国共産党の支配下にある清華大学新聞・伝播学院は、CNNやニューヨーク・タイムズなど欧米主要メディアから人的・資金的支援を全面的に受けていることがわかった。同学院は、マルクス主義の理論でジャーナリズムを指導すると掲げている。
欧米メディアと大企業が「マルクス主義ニュース」を支持
米保守系メディア「The National Pulse」が7月31日、清華大学新聞・伝播学院の「グローバル・ビジネス・ジャーナリズム・プログラム」(GBJプロジェクト)のスポンサーに、バンク・オブ・アメリカ、ブルームバーグ、デロイト トーマツ コンサルティング、ナイト財団(John S. and James L. knight Foundation)などが名を連ねていると独占的に報じた。
GBJプロジェクトは清華大学が2007年に設置し、全世界から集まった学生に英語で授業を行なっている。終了すれば、修士号を取得できる。
「The National Pulse」によると、米国国際ジャーナリスト協会、ニューヨーク・タイムズ、CNN、フィナンシャル・タイムズ、ビジネスウィーク、ワシントン・ポスト、ロイター、ブルームバーグなどの欧米主要メディア機関はGBJプロジェクトと「長期的な協力関係」を持っており、そのために「人材、施設、インターンシップの機会」を提供している。
卒業生は、清華大学の修士号に加え、米国国際ジャーナリスト協会から発行される金融ジャーナリズムの専門家の証明書が与えられる。
講師陣にはそうそうたるメンバーが招かれている。同学院のウェブサイトによると、外国人講師として登録されているのは、ビジネスウィークの元ホワイトハウス記者リチャード・ダナム氏、ブルームバーグ編集長のリー・ミラー氏、米アリゾナ州立大学のドナルド・レイノルズ国立ビジネスジャーナリズムセンターのエグゼクティブ・ディレクターのリンダ・オースティン氏など。
「ニューヨーク・タイムズ」の作家で元ビジネス記者のレスリー・ウェイン氏はゲストリサーチャーを務め、CNNの司会者であるファリード・ザカリア氏とフェイスブックの副社長ローリ・ゴラー氏らはともに、2017年に同学院のゲスト講師を務めていたという。
さらに、ブルームバーグは同学院に、10台の「ブルームバーグ プロフェッショナル サービス」(Bloomberg Professional Service)端末コンピューターシステムを提供している。これでリアルタイムの金融市場データや金融取引にアクセスして分析することが可能になったという。
「これは世界最大規模のシステムだ」とブルームバーグ創立者のマイケル・ブルームバーグ氏は同学院の受講者に会い、ポーズをとって写真を撮った。
欧米メディアは習近平氏の「メディア政策」の実施に協力した
中国共産党の代弁者としての、GBJプロジェクトの使命について、同学院の紹介文はこう述べている。「中共中央から託された報道機関の使命を果たすために、世論をリードするジャーナリストを養成する」
清華新聞学院長は演説の中で、同学院は「第17回党大会のメディア報道に関する要求」を遂行することを目標としている。さらに「正しい政治的方向性を堅持し、マルクス主義ジャーナリズムの教育体系を積極的に探求し、マルクス主義的な立場、視点、方法を用いて、報道事象を観察、選択、処理できるように学生を指導し、訓練する」と述べた。
習近平氏は2016年にメディア向けの演説で「読者のいる所にプロパガンダあり」と言及した。The National Pulseは、これらの欧米機構が中国共産党と協力することは、この宣伝政策を積極的に支援していると指摘した。
米国務省は、「同学院は、米国政府に対してサイバー攻撃を仕掛けた。技術と国家安全保障問題においても共産党と『明確な繋がり』を持っている」と述べた。
同学院の卒業生の多くは、CCTV、新華社通信、チャイナデイリー、人民日報などの政府メディアで働いているが、ブルームバーグなど欧米メディアに就職する人もいるため、欧米の視聴者もGBJプロジェクトの影響を受けることは避けられない。
「欧米大手メディアと大企業が、中共政権によって完全に支配されている清華大学と協力する時、彼らは自国の国益を事実上裏切り、共産党の共犯者として行動している」とThe National Pulseの報告書は分析している。
(大紀元日本ウェブ編集部)