中国南部の雲南省では8月17日の時点で、11の県と106平方キロの土地でバッタ被害を受けているという。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、6月にバッタの大軍がラオスから国境を越え同省江城県に侵入し、その後、勢力を急速に拡大させながら北上を続けていると報じた。
現在、1万人以上の調査員が農村部や森林に派遣され、災害の調査を行っている。しかし調査員によると、山の中で移動性の非常に高いバッタの群れを制御することは甚だしく困難だという。
雲南省林業・草原局の情報によると、今回のバッタ被害を受けたのは主に竹、オオバコ、ゾンゲアシ、トウモロコシなどの植物で、8月初旬には15万ムー(約1億平米)以上の農地が被害を受けたという。
雲南省当局は7月末に、害虫駆除の効果が出ており、江城県全域では4日連続でバッタの移動が見られなかったと発表し、8月26日の時点で「虫害は解消された」と宣言した。
しかし雲南省のメディアは当局の発表と正反対の状況を報道していた。
同省昆明市の地元メディア「昆明日報」は8月3日、昆明からわずか100キロしか離れていない玉溪県でバッタがはびこっていると報じ、さらには8月26日、雲南省は9月末までに輸入バッタの成虫を効果的に駆除するという目標を立てた。
中国政府は今回のバッタは「外来種」であると常々強調してきたが、しかし実際には、本土発生の蝗害が各地に拡大していた。雲南省に隣接する広西省では、6月にも1平方メートルあたり180匹のバッタが発生した。湖南省寧遠県や黒龍江省、そして吉林省でも6月にバッタの幼虫が大量発生したという。
雲南省では今年はツマジロクサヨトウが発生しており、広東省、海南省、広西省、福建省、四川省、貴州省、江西省などの省でも被害を受け、昨年よりも発生量が多く、被害面積も大きいという。
(大紀元日本ウェブ編集部)