南太平洋ソロモン諸島 独立の国民投票を実施 台湾との断交に抵抗

2020/09/04 更新: 2020/09/04

南太平洋ソロモン諸島の最大の州、マライタ(Malaita)は、36年間の外交関係を続けてきた台湾と断交し、中国との国交を樹立した中央政府に反発している。中央当局から中国を認めるよう圧力をかけ続けられきた。同州は現在、独立の是非を問う住民投票を実施すると発表し、自治共和国になることを計画している。

ソロモン諸島はオーストラリアの東海岸の北に位置し、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドを結ぶ主要な交通回廊上における戦略的に重要な南太平洋に浮かぶ数百の島からなる国である。

ロイター通信によると、米国とつながりの深いマライタ州はソロモン諸島最大の地方自治体で、国の人口の約4分の1が居住しているという。2019年9月、国民の反対にもかかわらず、同国中央政府は台湾と国交断絶し、中国との国交樹立を強行したところ、マライタ州では平和的なデモが行われ、独立を求める声も上がった。

その後、アメリカやオーストラリアも、南太平洋における中国の勢力拡大に対抗するために、マライタ州の西部に深海港を開発する準備をした。

オーストラリアのテレビ局チャンネル9のインタビューで、マライタ州知事ダニエル・スイダニ(Daniel Suidani)氏は中国が約20万豪ドルで自身を買収しようと企んだと暴露した。

スイダニ州知事は9月1日夜、同州が外交関係の変更を認めないことを承知で、中国を受け入れるよう圧力をかけ続けてきた中央政府を非難する声明を発表した。

「国の指導者たちがより独裁的になりつつある。そんな国の一部であり続けることをマライタの国民が望んでいるのかどうかを確かめる時がきた」「自己決定は人権の核心である。どんなに困難でも、またどんなに時間がかかろうとも、いかなる力も、この究極の願望の実現は阻止できない」と同州知事は語った。

ロイター通信によると、中共ウイルス(新型コロナウイルス)が拡大する中、マライタ州政府と中央政府の間に再び衝突が起こっていたという。原因は、台湾からマライタに寄贈された医療品が中央政府に差し押さえられたことで、同州の深刻な不満が噴出したからだと伝えている。

また同国中央政府は、ウイルスのパンデミック期間中に、依然として、中国に足止めされていた同国民と中国の開発者を載せたチャーター便の入国を許可しており、これに関しても激しい反発と論争が巻き起こっている。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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