内モンゴル自治区に続き、中国当局は、東北地方の朝鮮族地域でも中国語強化教育を始めた。中国共産党体制下の朝鮮族社会でも文化の消失が危ぶまれている。
韓国の朝鮮日報によると、遼寧省など一部の朝鮮族系小中学校では、9月の新学期から、延辺教育出版社が編集した朝鮮語の「国語」教科書に代わって、教育部が編集した「国語」教科書を使用することになったという。
中国には吉林省、黒竜江省、遼寧省などを中心に約183万人の朝鮮族がいる。「一部の朝鮮族の民族学校で使用する他の科目の朝鮮語教科書は中国語の教科書に置き換えられている。これは内モンゴルのような政府レベルの明確な政策はないが、中国語教育を強化しようとする試みである」と関係者は指摘する。
中国当局は、2019年には小中学校の全学年、また一部の省および市は、高校からの「思想政治」「国語」「歴史」などの科目で教育部が編集した教科書の使用を要求している。
中国の少数民族の学校では長らく少数民族の言語を基準にした教材を使用してきた。
8月末、中国当局は内モンゴルで中国語教育を強行したため、大規模なストライキや抗議が発生した。モンゴル族の住民はこの新しい政策を「文化絶滅の手段」と見なした。
大紀元が入手した内モンゴル・アルシャー左旗の信訪局(陳情受付機関)の8月31日の内部資料によると、中国当局は内モンゴルで中国語教育政策を強行するための事前準備を進めている。これは、内モンゴル統一戦線部門は民衆の抗議に対応するためのさまざまな手段を用意していることを示している。
内モンゴルの各地で大規模なデモが発生した後、中国当局はデモを鎮圧するために他の場所から公安や武装警察を大量に派遣し、多数のデモ参加者を逮捕した。
南モンゴル人権情報センターの統計によると、過去3週間で少なくとも4000~5000人のモンゴル人が何らかの形で逮捕されている。これらには、反体制派とその家族、作家、活動家、牧民の精神指導者、抗議者、ネットユーザーなどが含まれる。また、当局による中国語強制教育のために、少なくとも9人のモンゴル人が絶望して自殺している。
ドイツに亡命した内モンゴル人民党の主席、ショブチョード・テムチルト(席海明)氏は大紀元の記者に対し、「今、中国は厳しい国際情勢に直面している。そんな中でも内モンゴル人民の希望を完全に無視して、内モンゴルでの中国語教育を強制的に推進している。このモンゴル人に対する文化的虐殺は共産党自身の滅亡を加速させるだけだ。現在の状況から判断すると、中国共産党の終焉の日はそう遠くはない」と述べた。
(大紀元日本語ウェブ編集部)