黒人人権運動のブラック・ライブス・マター(Black Lives Matter)の共同創設者アリシア・ガーザ(Alicia Garza)氏は、米国でのロビー活動のために、中国共産党グループと提携している。米シンクタンク・ヘリテージ財団の上級研究員マイク・ゴンザレス(Mike Gonzalez)氏が指摘した。
ガーザ氏が作った黒人人権運動を推進するための組織ブラック・フューチャー・ラボ(Black Futures Lab)は、中国共産党とつながりの強い組織である華人進歩会の寄付を受けて2017年に設立された。「華人進歩会の財政支援を受けたプロジェクトである」とウェブサイトに明記している。
ガーザ氏によると、現在、ブラック・フューチャー・ラボは団体の訴えを反映する法律の整備のために各地でロビー活動を行っている。「地域、州、国レベルの政策を推進するために、支持団体や議員を巻き込もうと試みている」とサイトに書いている。
華人進歩会は1970年初頭にサンフランシスコで設立され、中国政府とつながりの強い組織である。Marxist.orgに掲載されている2009年のスタンフォード大学の権威ある論文によると、華人進歩会は共産主義組織で、「左翼で親中組織として始まった。中国本土の革命思想と労働者の権利の認識を促進し、自決、共同体の管理、そして人民への奉仕」に専念しているという。
掲載論文によれば、華人進歩会は「米国とサンフランシスコのベイエリアにある他の親中グループと連携している」。また、中国の革命思想を浸透させるために、中国映画の上映会を開催している。
華人進歩会は10月1日の共産党による中国建国記念日には、米中人民友好協会などの統一戦線工作部の団体と行事を催している。同日、ボストン市庁舎の上空で初めて中国の国旗を掲揚するイベントを主催した。この活動は中国領事館の協力を得て開催された。ボストン中国総領事・孫国祥氏は講演し、「米中の違いよりも共通利益のほうが重要だ」と語ったという。
華人進歩会は、ニューヨークの中国総領事と協力して、中国人のパスポート更新を支援した。この活動は、中国官製メディアの人民日報も称賛して記事にしている。
華人進歩会の共同設立者であるリディア・ロウ氏も講演し、「マッカーシズムは過ぎ去り、冷戦は終わった」と強調したという。ロウ氏は社会主義系メディアに投稿したエッセーで、「(西洋と)根本的に異なる社会」を達成する「革命的戦略」の構築にアジア人に一役買うことを望んでいると書いている。
ブラック・ライブス・マターの共同創設者のパトリス・カラーズ(Patrisse Cullors)氏らは、マルクス主義の政策に従っていたことを公然と認めている。彼女は2015年の動画番組インタビューで、運動は「訓練されたマルクス主義者」によって率いられていると述べた。
ガーザ氏は2015年の共産主義フォーラムで、「資本主義の下では、黒人の命が大切だとの世界の出現は不可能だ。国家による抑圧との闘いなしに資本主義を廃止することは不可能だ」と力説している。
ヘリテージ財団のマイク・ゴンザレス氏は、共産主義者による黒人人権運動について「何年にもわたって基礎を築き、タイミングが来れば抗議活動を始める。ソーシャルメディアを通してメッセージ性を増幅する。こうして世界規模のネットワークを着実に作ってきた」と指摘している。
さらに、ゴンザレス氏は、BLMのガーザ氏が設立した団体を中国共産党が支えていることについて「アメリカの都市を大混乱に陥れたこの運動を後援するために、中国共産党は巨大なプロパガンダ装置を仕掛けた」と例えた。「結局、中国は米国を敵視し、米国社会の弱体化を有利と見ている」と分析している。
(翻訳編集・佐渡道世)