訪日するマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は、10月6日に東京で開かれる2回目となる日米豪印戦略対話(通称クアッド・QUAD)外相会に出席する。同氏の訪問により、中国の拡張主義に対抗するための4カ国によるインド太平洋地域版NATO設立への進展が注目される。
ポンペオ氏は当初の計画にあったモンゴルと韓国の訪問を中止および延期させている。米国務省が3日に発表した。同氏のアジア訪問日程の短縮には、トランプ米大統領の新型コロナウイルスへの感染確認や入院と関係があると考えられる。
米国務省が発表した情報によると、ポンペオ氏訪日の主なトピックは、軍事的覇権の拡大を進める中国共産党政権へのけん制を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向けた連携の確認と、米国とアジアの同盟国との関係強化を目指したいとの考えだという。
デービッド・スティルウェル(David Stilwell)米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2日、メディアに対し、ポンペオ氏は訪日中にクアッドに出席し、インド太平洋地域の安全保障、サイバーインフラおよびセキュリティ、参加国が直面する共通課題への具体的な協力方法の議論をする予定であると明らかにした。
クアッドは、先月の米印戦略対話に参加したスティーブン・ビーガン(Stephen Biegun)米国務副長官によって提案された日米豪印の4カ国からなるNATOのような戦略的同盟の構想である。その目的は中国の潜在的脅威に立ち向かうため、インド太平洋地域でのセキュリティの確立および促進だ。
その実現に対する外界の期待感は高まっている。米ワシントン・タイムズ紙の最近の報道によると、「中国からの脅威が増大するにつれ、クアッドの創設条件がより成熟してきている」と見ている米当局者が増えているという。
同報道は、米国のシンクタンクであるウッドロー・ウィルソン国際学術センターに所属する南アジア専門家マイケル・クーゲルマン(Michael Kugelman)氏の発言を引用して、「過去には一国だけが特定の時期に中国からの脅威に直面していたが、現在はそうではない。中国のアジアでの攻撃的な活動は、世界の安定をますます脅かすようになった。クアッドの設立に現在、同地域の他の国々も非常に関心が高まっている」と報じた。
また、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は1日、米国は中国の膨張的な行動を抑制するため、南シナ海での主権紛争問題を提起し、太平洋地域の同盟国への武器販売を増やしたと報じた。 これらの行動戦略は、「価値観を共有する国と同盟関係を構築する」というポンペオ氏の提案と一致している。
(大紀元日本語ウェブ)