マイク・ポンペオ米国務長官は10月6日、中国共産党政権に対抗するため、米国・日本・オーストラリア・インドによる4カ国安保対話(Quad、クアッド)を公式化し、拡大する意思を示した。
クアッドとは、非公式な同盟を結んでいる米日豪印の4カ国間の会合で、安倍前首相が2007年に提唱し実現させた。クアッドが構築された後、一時期、世界覇権を狙う中国当局への「抑止力」だと捉えられた。17年、米国でトランプ政権が発足してから、米中は貿易やハイテク分野などで対立が強まり、クアッドが再び重視された。
今回のクアッド会合では、中国の海洋進出や5G(次世代移動通信網)構築などが話し合われた。また、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の世界的大流行も議題となった。
日経アジア・レビュー6日付によると、関係者らは非公式のクアッドでは、4カ国間の具体的な連携が難しく、連携も長く継続できないと指摘した。最近、中国当局は、米国だけでなく、日・印との領海や国境で挑発行為を繰り返し、中共ウイルスの発生源に関する独立調査を求める豪政府との関係もぎくしゃくしている。
ポンペオ長官は日経アジア・レビューの取材に対して、クアッドを「制度化すれば、真の安全保障枠組みを構築できる」と話し、「この枠組みは、中国共産党政権がもたらしたわれわれへの課題に対処できる」とした。
また、長官は、クアッドが今後さらに拡大し、他の国も「適切な時期に参加できる」と述べた。
長官は、クアッドでは安全保障上の課題だけでなく、「経済的能力、法治、知的財産権保護の能力、貿易協定、外交関係、安全保障の枠組みを構成するすべての要素を議論している。これは軍事よりも深い話だ」とし、「これは民主主義国家が持つ力であり、権威主義体制では決して実現できないものだ」と強調した。
さらに、長官は「われわれは紛争ではなく、平和をもたらすことを目指している」としながらも、「(対中)宥和政策は解決策ではない」との見解を示した。
ポンペオ氏は10月5日に来日し、6日にクアッド外相会合に出席した。
(翻訳編集・張哲)