パキスタン通信局(PTA)は10月9日、同国で絶大な人気を誇っているショートムービーアプリ「ティックトック(TikTok)」の使用を禁止したと発表。
同国ではティックトックの一部の「不道徳でわいせつで下品な」動画内容が社会へ与える深刻な影響を懸念して、国内の多方面から苦情が寄せられていたという。
現在、パキスタンのユーザーは同アプリおよびウェブサイトに、すでにアクセスできない状態だという。
PTAは違法コンテンツを審査し、満足のいく仕組みの採用を条件に、今回の禁止令は見直しの可能性があると、ティックトック側に通知したと明した。
「われわれは、不道徳で下品なコンテンツをブロックするための効果的な仕組みを確立するように繰り返し求めてきた。しかし、ティックトック側は従わず、われわれを完全に満足させることができなかったため、同アプリを禁止した」という。この決定に直接関与したパキスタン当局の高官がロイターに語った。
パキスタンの通信規制当局は7月にも、同アプリに投稿された露骨なコンテンツについて警告を出していた。
別のパキスタン当局者によると、この決定は同国のイムラン・カーン首相によって支持されており、首相自ら「保守的なイスラム共和国が、ティックトックの下品なコンテンツによって攻撃されるのを防ぐためにあらゆる努力をするよう」通信当局に指示したという。
ティックトックはセキュリティやプライバシーへの懸念から世界的な騒動に発展している。インドではサイバーセキュリティ上の懸念を理由にすでに禁止しており、そしてオーストラリアや最大の市場である米国でも調査に直面している。
また、米国の動きに追随する日本でもティックトックを含む中国系アプリの利用制限の検討を開始している。
(大紀元日本語ウェブ)