ツイッターは10月30日、ニューヨーク・ポスト紙のアカウントの凍結を解除し、ハッキングされたコンテンツに関するポリシーを変更したと発表した。
ツイッターによると、ニューヨーク・ポスト紙は再びツイートを送れるようになったという。同紙は、民主党の大統領候補ジョー・バイデン氏の息子、ハンター・バイデン氏の海外ビジネス取引疑惑に関する記事を10月14日に掲載してから凍結されていた。ツイッターは、投稿された記事は同社の個人情報と「ハッキングされた資料」に関する規則に違反したと述べていた。
同紙は、ツイッターのロゴである青い鳥が、鳥かごから飛び出した絵のツイートを掲載した。キャプションには、「フリーバード!ツイッターが引き下り、ついにバイデン関連の投稿後に凍結されていたニューヨーク・ポストのアカウントのロックを解除」と書いてある。
We’re baaaaaaack https://t.co/D39qdLGMdV pic.twitter.com/SkVtp4o9ew
— New York Post (@nypost) October 30, 2020
ツイッターの最高経営責任者(CEO)であるジャック・ドーシー氏は10月28日、大手IT企業との上院公聴会で、通信品位法 (Communications Decency Act) の一部の改正について議論が行われた際、質問を受けた。ドーシー氏は公聴会で、テッド・クルーズ上院議員 (テキサス州選出、共和党) に対し、ニューヨーク・ポストは「アカウントにログイン」し、「当初の強制措置の対象となったツイートを削除」した後、再び投稿できると話した。
「彼らは全く同じ記事をツイートできる。そして、それはブロックされることはない」
ツイッターの広報担当者は10月15日にニューヨーク・ポストにこう話した。「ポリシーは更新したが、過去の強制措置は変更できない。アカウントへのアクセスを回復するには、問題のツイートを削除する必要がある」
ニューヨーク・ポストは過去の投稿を削除しなかった。ツイッターは10月30日、「新しいシナリオに遭遇したり、公衆から重要なフィードバックがあった場合、ポリシーを更新したり調整したりすることをいとわない」と述べ、ニューヨーク・ポストの例を挙げた。
さらに、「@nypostに対する強制措置が、ハッキングされた資料に関するポリシーの更新につながったため、以前のポリシーの条件に基づいてニューヨーク・ポストのアカウントの制限はなくなり、彼らは再びツイートできるようになる」と説明した。
ニューヨーク・ポストの記事がハッキングされた資料に基づいているという証拠はない。元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ氏は、ハンター・バイデン氏のものとされるノートパソコンのハードディスクをニューヨーク・ポストに渡したと話した。ノートパソコンは去年、デラウェア州のパソコン修理店に出されたまま引き取られることがなかった。報道によると、ノートパソコンの修理依頼者は修理代を支払わなかったという。
クルーズ議員は後に、ドーシー氏、ツイッター、そしてフェイスブックは、バイデン一家とウクライナのエネルギー企業、Burisma Holdingsおよび中国共産党と繋がりのある企業の取引に関する報道をめぐり、ニューヨーク・ポストをブロックする決定を「一方的だった」と述べた。
ドーシー氏は、ツイッターがニューヨーク・ポストや他の報道機関を検閲しようとしているというクルーズ議員の非難を一蹴し、彼らはツイッターの「使用条件」に同意しなければならないと話した。
上院商業科学運輸委員会の公聴会は「第230条の全面的な免責によって大手IT企業は悪いことを行うか?」と題され、共和党議員らは公聴会でほとんどの時間を使って、参加した企業の選択的検閲を非難した一方、民主党議員らは主に選挙を妨害する誤った情報への対策が不十分であることに焦点を当てた。
米国通信品位法第230条
米国の通信品位法第230条は、IT企業がプラットフォームに掲載されたコンテンツに対して責任を負わないようにする一方で、企業が政治的言論を含むコンテンツを管理することを可能にしている。
米国のウィリアム・バー司法長官は5月に、この条項は25年前にウェブサイトが「第三者による情報の内容について責任を負わない旨を表明できる」目的で採択されたと述べた。
同条項はまた、「これらの企業が、児童ポルノや人身売買の広告などを削除しやすいようにする目的もあった。もしこの種のいかがわしいコンテンツを削除しても、責任を追うことはないということだ」とバー氏は述べた。
「今では用途が大きく拡張され、社会の情報の流れをコントロールする巨大化した企業が、情報の検閲に関わり、コンテンツの編集者や出版者として活動するようになってしまった」とバー氏は述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)