10月31日、スイスのジュネーブ州大評議会の議員によって提出された「スイスと中国との間で締結された『キツネ狩り』協定に反対する議案」が可決された。
「キツネ狩り」とは、海外に逃亡した中国の反体制派などを探し出して連れ戻す中国当局による活動を指す。同協定は、滞在資格を持たない中国国家安全部門の幹部のスイス入国を許可し、スイスにいる中国人への監視、調査、尋問、強制送還などを可能にしている。費用はスイス側が負担することになっている。
同協定は両国間で2015年に調印され、2020年12月に期限切れを迎える。
スイスの新聞「Le Temps」紙は8月23日、同協定について報道した。また、スイスが他の63カ国と同様の協定を結んでいるとメディアによって暴露され、国内で大きな反響を呼んだ。
パトリック・ディミエール(Patrick Dimier)議員が率いるジュネーブ州大評議会の20人以上の議員は同協定に反対した。最終的に大評議会は、「中国とスイスの関係は偉大なる民主的合意とは相容れない」と題する議案を52票、欠席21票、反対1票で可決した。
議案の中で、中国共産党は人権を尊重せず、法輪功学習者や少数民族のウイグル人などの信仰者を迫害し続けているため、スイス連邦は中国共産党と人権を侵害する協定の署名をやめるよう要求していた。
今回可決された「反対議案」は「強制労働によって生産された商品はすでにスイスに入ってきている」と批判した。
米司法省も10月28日、米国内で違法な法執行活動に従事した罪で、「キツネ狩り」に従事した中国の工作員8人を訴追したと発表した。「米国が自国内におけるこの種の目に余る行為を容認することはない、という明確なメッセージだ」と述べた。
米当局は同作戦について、反体制派や中国当局に批判的な人たちを抑圧するための「不正な法執行」だと以前から警告を発してきた。
(大紀元日本ウェブ編集部)