米国務省はこのほど、台湾に4機のドローン(無人機)を売却することを承認した。国防安全協力局が11月3日に議会に通知した。米政府が台湾への武器売却を議会に通告したのは、この2週間で3度になる。トランプ政権では10度目。
これらのドローンは、ゼネラル・アトミックス社(General Atomics)が製造した海洋監視向け無人機MQ-9Bシーガーディアンだ。
国防安全協力局が発表したプレスリリースによると、4機の無人機、2台の固定地上管制所、2台の移動地上管制所、14個の付属ナビゲーションシステム、マルチスペクトル照準システム、レーダーやその他の関連設備などは、およそ6億ドルと推定されている。
同じ資料には、この軍備売却案は米国法律・政策に則っており、「買い手(台湾)の安全改善および地域の政治的安定、軍事バランス、経済と進歩の維持に協力することができる」としている。
偵察ドローンの購入は、台湾の抑止力強化につながる。情報収集、監視、偵察能力を向上させ、陸海そして潜水からの攻撃能力に対する防衛能力を高めることができる。
10月21日、米国務省は台湾に3つの武器売却を許可した。これらは高機動ロケット砲(HIMARS)、拡張型対地攻撃ミサイル(AGM84H)、F-16戦闘機用偵察ポッドとそれぞれの関連設備が含まれる。10月26日にはさらに、100セットに上る対艦ミサイルによる沿岸防御システム(HIMARS)の販売を許可した。
台湾外務省は、米国がドローン販売を認めたことに歓迎の意を示した。欧江安報道官は3日、政府は米国の持続的で具体的な行動を支持し、「台湾関係法」など米台の安全保障関係の条約を履行することに謝意を述べた。
中国政府は、米国が台湾への武器輸出を承認したことを受けて、強い不満を表明した。台湾への武器輸出に関わっていた米製造会社のロッキード・マーティン社とゼネラル・アトミックス社、ボーイング社軍事部門に制裁措置を取ると発表した。しかし、3社は中国市場に進出しておらず、ビジネス活動に影響はない。中国政府は制裁公表を通じて威嚇的なメッセージを表したとみられる。
中国軍による台湾への周辺活動はますます活発化している。台湾空軍司令部は11月4日、中国軍Y8対潜哨戒機1機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入したと発表した。中国軍による台湾のADIZ侵入は9月16日以降増加し、今回で33回目となる。
中国外務省は9月21日、台湾は「中国の一部」であり、台湾海峡の中間線は「存在しない」と述べた。台湾の呉釗燮・外交部長(外相)は翌22日、中間線の存在否定は現状破壊に等しいと批判した。
(翻訳編集・佐渡道世)