米SNS大手フェイスブックは、ドナルド・トランプ大統領の支持者が選挙詐欺の疑いについて議論し、全国で集会を組織したりするグループ、「STOP THE STEAL(選挙を盗むのを阻止せよ)」を削除した。最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏によると、「暴力や市民の暴動」を防ぐためだという。
ザッカーバーグ氏はツイッターのCEOのジャック・ドーシー氏と共に、11月17日に上院司法委員会で、自社の大統領選挙に関する行動について証言した。
選挙前の数週間、フェイスブックとツイッターは、民主党候補ジョー・バイデン氏の家族の海外での取引疑惑に関するニューヨーク・ポストの報道をブロックした。選挙後、トランプ氏と支持者らが選挙結果の正当性を疑問視する投稿をすると、両社は投稿に誤った情報のラベルを貼り、利用者の反発を招いた。
物議を醸した最近の出来事は、12日にフェイスブックが「Stop the Steal」グループを削除したことだ。同グループは当時35万人以上のメンバーを集めており、不正選挙の疑惑を議論し、全米でトランプ支持のデモを計画していた。
ダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)上院議員(民主党、カリフォルニア州)が、選挙に対する懐疑が広がることが「暴力を扇動」するかと質問すると、ザッカーバーグ氏は、トランプ支持者による暴力につながるようなイベントの開催を阻止することが、フェイスブックの優先事項の一つだと答えた。
「私はこれをとても心配している。特に、このような不安定な時期に、暴力を誘発するような誤った情報や内容について懸念している」と、オンラインで公聴会に参加したザッカーバーグ氏は話した。「私たちの最優先事項の1つは、人々が私たちのプラットフォームを使って暴力や騒乱を組織しないようにすることだ。それがこのグループを削除した理由だ。私たちの方針に反して暴力的または暴力を助長するようなコメントを投稿しているメンバーがたくさんいたからだ」
米上院の司法委員長のリンゼー・グラム議員(共和党、サウスカロライナ州)は、「SNS企業が権力を利用し、私たちが何を見ることが出来るか、出来ないか、そして何が真実で何がそうでないかを決めている。私が思うに、共和党と民主党、ともにこれを懸念している」と述べた。
グラム議員は、両社は保守派や右派寄りの人物に偏見を持っていると述べ、ユーザーが投稿したコンテンツに対する責任からSNSプラットフォームを保護する、通信品位法第230条の改正を提案した。
また、ザッカーバーグ氏は広告が削除された別の件に触れ、ミスが原因だったようだと述べると、マイク・リー上院議員(ユタ州選出、共和党)は、「このようなミスは、政治的立場の片方(保守派、右派)で、もう片方(左派)よりもはるかに多く起こっている」と述べた。
リー議員によると、連邦政府の候補者に政治献金した両者の社員のうち、フェイスブックでは92%、ツイッターでは99%が民主党に寄付した。
「だから、これらのミスは本当にミスなのかもしれないが、似ているミスだ。同じミスは繰り返さないかもしれないが、どれも似ている。これらのミス共通点は、共和党、保守派、そして中絶反対の活動家だ」とリー議員は述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)