アメリカの多くの都市、特に民主党が支配する都市で、大規模なロックダウン(都市封鎖)が再び行われている中、多くの政治家が、自分が定めた自粛ルールに違反したことで批判を集めている。
カリフォルニア州知事:ギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)
ニューサム知事(民主党)は11月6日、カリフォルニア州ヨントビルにあるミシュラン三つ星レストラン、「フレンチランドリー(French Laundry)」でのディナーパーティーに出席した。Fox 11が公開した写真によると、パーティーにはおよそ12人が近距離(6フィート以内)に座っており、1人もマスクを付けていなかった。
ニューサム知事はこの1カ月前、同居者以外の人と接する時はマスクをし、食事中でもできるだけマスクを付けるよう呼びかけていた。
パーティーにはカリフォルニア州医師会の会長と上級副社長も同席していた。同医師会は数万人の医師が加盟しており、最近もソーシャルメディアの投稿で、人々に安全のため家から出ないように呼びかけていた。
ニューサム知事はディナーに参加したことを謝罪した。「悪い間違いを犯した。家に帰るべきだった」と彼は話した。
カリフォルニア州では現在、ほとんどの郡で夜(午後10時)から朝(午前5時)まで夜間外出禁止令が出ており、レストラン店内での飲食などが再び禁止されている。ビジネス・オーナーたちからは批判の声が上がっている。サンタモニカにある美容店の店主、ラリッサ・ラブさんは、「政治家は私たちにはこうしろ、ああしろと言っておいて、自分たちは外でマスクなしで食事している」と語った。
サンフランシスコ市長:ロンドン・ブリード(London Breed)
ニューサム知事がディナーに行った翌日、サンフランシスコのブリード市長(民主党)も同じ三つ星レストランで食事していた。友人の60歳の誕生日を祝うこの食事には8人が参加し、ニューサム知事と同じようなプライベートルームで行われた。このルームは三面に壁があり、残りの一面にはガラスの扉がついていて、開いている時もあるという。
ニューサム知事と同様、この食事は違法ではないが、ブリード市長が公に呼びかけている自粛の勧めに反するものだった。この食事の3日後、ブリード市長はサンフランシスコで全てのレストラン店内での飲食を禁止した。
サンノゼ市長:サム・リカルド(Sam Liccardo)
サンノゼ市のリカルド市長(民主党)は11月、サンクスギビング(感謝祭)の集まりに行かないよう市民に強く求めていたにも関わらず、自分はサンクスギビングのディナーに参加したことを謝罪した。ディナーは5世帯から8人が参加しており、州の規定に違反していた。州の規定では集まりを3世帯以下に定めていた。
「州規定に違反して、サンクスギビングのディナーに行ったことを謝罪する」と彼は声明で述べた。
カリフォルニア州のメリッサ・メレンデス上院議員(共和党)は、「この州の政治家たちは、市民たちに『パーティーに行かないよう』『レストランでの食事は危険だ』と言っているが、彼らも一般市民と同じである事を行動で示すべきだ」と述べた。
ロサンゼルス郡のスーパーバイザー:シーラ・クエール(Sheila Kuehl)
クエール氏(民主党)は11月、レストランの屋外での飲食を禁止する措置に決定的な賛成票を投じたわずか数時間後、レストランの屋外で食事をとった。
彼女の広報担当者はFox 11に対して、「クエール氏が食事したのは、食事が許される最後の日だった。彼女はレストランの収入が減少していることを悲しく思っている」と語った。
クエール氏は最近の郡の管理委員会の会議で、「屋外での飲食は最も危険な状況だ。これは深刻な衛生の緊急事態で、真面目に対処する必要がある。マスクを付けていない客が店のスタッフを危険に晒している」と述べている。
この飲食禁止措置に反対票を投じたスーパーバイザー、ジャニス・ハン氏はFox 11に対して、「私たち政治家が市民の信頼を得られないと、このウイルスとの戦いに負けてしまう。感染拡大から9カ月たった今、私たちは市民の信頼を失い始めている」と語った。
米下院議長:ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)
ペロシ議員(民主党、カリフォルニア州)は8月、自分の選挙区であるサンフランシスコのヘアサロンを訪れた。サンフランシスコのヘアサロンは3月から全て営業停止を余儀なくされている中、ペロシ議員はシャンプーとブロードライのサービスを受けた。
FOXニュースが入手した防犯カメラの映像には、ペロシ議員が午後3時ごろ、マスクを付けずに濡れた髪でサロンの中を歩いている様子が映っている。6月下旬、ペロシ議員は全国でマスク着用の義務化を呼びかけていた。
サロンのオーナー、エリカ・キオウスさんは、サロンのスペースを独立したスタイリストたちに貸し出している。エリカさんは、「ショックを受けている。私の仕事が奪われ、誰もヘアサロンに行くことができなくなっているが、彼女はヘアサロンでサービスを受けられるなんて」と話した。
ペロシ議員は後日の記者会見で、「1人ずつなら店内に入れると言われた。ヘアサロンに騙された。このサロンは私に謝るべきだ」と述べた。オーナーのエリカさんは、「予約とサービスを担当したのは店のスペースを借りている独立したスタイリストで、私は全く関わっていない」と否定している。
オースティン市長:スティーブ・アドラー(Steve Adler)
テキサス州オースティン市のアドラー市長(民主党)は11月9日、フェイスブックに動画を投稿し、家を出ないよう市民に呼びかけた。「できるだけ家に居よう。今はリラックスする時ではない」と彼は動画で話した。
しかし、地元紙、オースティン・アメリカン・ステーツマンの報道によると、アドラー市長はメキシコのリゾート、カボサンルーカスのバカンス中でこの動画を撮っていた。彼は他8人と一緒にプライベートジェットでカボサンルーカスへ行っていた。
アドラー市長はこれを認め、「旅行を後悔している。法律には違反していないが、悪い模範になってしまったことを謝罪する」と述べた。
テキサスのウィリアムソン郡の判事:ビル・グラベル(Bill Gravell)
テキサス・スコアカードの報道によると、グラベル判事(共和党)は市民が集まることを禁止していたにも関わらず、4月に孫の誕生日パーティーに参加しているところを撮影され、訴訟の末に罰金1000ドルの支払いを命じられた。
パーティに参加した4月7日は、同判事が郡全体での外出禁止令を4月30日まで更新すると決めた日だった。
(大紀元日本ウェブ編集部)