広東省東莞市の配車アプリのドライバーがこのほど、急病の赤ちゃんを病院へ送り届けるために3回も信号無視し、警察から罰金の通知が届いた。しかし、赤ちゃんの家族は、「ドライバーの信号無視は自分とは何の関係もない」と証言を拒否した。同事件は中国のネットで多くの議論を引き起こし、ネットユーザーは一家を非難した。
中国メディア「看看新聞」の報道によると、広東省東莞市の配車アプリのドライバーの艾さんは14日、赤ちゃん連れの4人家族を乗せた直後、赤ちゃんが突然嘔吐して気絶したという。艾さんは、同乗する家族に「最寄りの病院に行くように」と頼まれたため、すぐに車を引き返して病院へと急いだ。
一刻を争うため、艾さんは途中で赤信号を3つ通り抜けた。のちに警察から、1回の信号無視につき6点の減点と600元(約9500円)の罰金を科すとの通知が届いた。
艾さんはその一家に連絡を取り、信号無視の理由について証言するよう頼んだ。しかし一家は「自分たちとは何の関係もない」と拒否した。
艾さんは、一家の対応に困惑しつつも「信号を無視して赤ちゃんを救ったことは後悔していない」と述べた。
この出来事がメディアによって報じられ、話題となった。一家への非難が殺到した。
「ドライバーはあなたの家の子どものために減点された。それなのに、最低限の礼儀である『ありがとう』さえ言ってもらえないなんて、あまりにも残酷だ!証言するだけで何も失わないだろう。それも助けてくれたドライバーへの恩返しの一つだ、なぜこれほど簡単なことができない、なぜここまで無情になれるのか!」
「本当に苛立たしいことだ、なぜ証言しないのか理解できない。ドライバーが信号無視したのも、処罰を受けたのも、何もかも全てあなたたちのためではないのか。もしあの時、彼がすぐに子どもを病院に連れて行かなければ、今泣いているのはあなたたちではないのか。ドライバーは善意の心と道徳心から赤ちゃんを助けた。彼は手をこまねいて傍観しなかった」
「この一家が受けてきた教育を疑うよ。これはただのモラルだけの問題ではない」
「お互い赤の他人だ。当たり前のことは一つもない。助けられた時には感謝の気持ちを持つべき」
「このような家族の行動は、社会から非難されたり罰せられたりすることがなければ、社会全体がその影響を受け、社会的風潮が悪くなってしまう。そうなれば、私たちは皆その被害者になってしまう」
(大紀元日本ウェブ編集部)