中国国家市場監督管理総局は12月24日、電子商取引最大手のアリババ集団を独占の疑いで捜査するとの声明を公表した。一方、習近平国家主席は今月中旬に開催された経済政策会議で、「反独占の強化と資本の無秩序な拡大防止」を来年の重要な任務に位置付けた。
国家市場監督管理総局は同日の声明で、「このほど当局が受けた通報に基づいて、法に則りアリババ集団控股有限公司に対して、『二選一』など、独占の禁止行為を調査する」とした。
「二選一」とは、電子商取引プラットフォームが出店者に対して、他のプラットフォームに加入しないことを要求する行為である。国家市場監督管理総局は10日、「プラットフォーム経済に関する反独占ガイドライン(意見募集稿)」で、「二選一」を認定する基準を示した。
中国共産党機関紙・人民日報は同日の評論記事で、今回の調査について、「プラットフォーム経済の健康的な発展を図るためだ。政府の(プラットフォーム企業への)振興政策は変わっていない」と主張した。
習近平政権は16~18日にかけて開催した党中央経済工作会議で、反独占政策を来年の経済政策の「8つの任務」の1つであると決めた。18日以降、中国官製メディアは連日、アリババ集団などのネット大手企業を名指しで批判した。
在豪中国問題専門家の馮崇義教授は、大紀元の取材に対し、中国当局が反独占措置を打ち出した理由について、「中国経済が悪化し、国庫が空になったからではないか」と推測した。同氏は「当局は反独占のスローガンで民間企業の資本を奪取しようとする狙いがある」との見方を示した。
中国当局によるアリババ集団への締め付けが強まっている。中国証券監督管理委員会、中国人民銀行(中央銀行)などは11月2日、アリババ集団創業者の馬雲(ジャック・マー)氏と、同社傘下の金融会社アント・グループの上級幹部に対して「監督管理上の聴取」を行った。
これを受けて、アント・グループの香港と上海の両市場への上場計画が延期された。
(翻訳編集・張哲)