中国の研究機関が12月22日発表した「中国国際移民報告2020」によると、昨年、中国国内から約1073万人が外国に移民した。米中関係が悪化したにもかかわらず、米国は中国人の中で最も人気のある移民先となった。日本とカナダは米国に次ぎ、2番目と3番目に人気のある国であるとわかった。
中国のシンクタンク、全球化智庫(Center for China and Globalization、CCG)と西南財経大学が、同報告書を共同で作成した。
2019年に中国から約1027万2300人が外国に移住した。報告書は、中国は世界3番目の「移民輸出国」になったと示した。
中国人の主要移住先は米国、日本、カナダなどの各国。国・地域別では、香港への移住者の約227万2300人とマカオの約29万7600人を除けば、米国への移住者は約288万9200人で最も多い。日本への移民は約78万4800人で2番目に多い。カナダは約69万1500人と3番目。4位と5位はオーストラリア(64万1624人)と韓国(62万295人)。
同報告書は、中国の留学ブームが続いており、移民の年齢層は若年化していると指摘した。
米国の2019年度「オープンドア報告書」によると、2018~19年度まで、在米中国人留学生の人数は36万9548人に達し、留学生全体の約34%を占めた。また、過去10年間で米国の高校に留学した中国人学生の人数は98.6倍急増した。高校にいる中国人留学生は大学にいる中国人留学生の14倍だという。英国の「2019年度英国留学生報告書」では、中国人留学生の総数は約10万6000人に上り、在英留学生の23.2%を占めた。
日本学生支援機構(JASSO)のデータによると、2019年の時点で、日本の大学や専門学校で学ぶ留学生は31万2214人に達した。そのうち中国大陸部の学生数は39.86%でトップを占めている。
「中国国際移民報告2020」は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大で人々が自由に移動できないうえ、一部の国に移民政策を調整する動きがみられているため、今後の国際人口移動規模は縮小する見通しだとした。
(翻訳編集・張哲)