テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)、イーロン・マスク(Elon Musk)氏は11日、ハイテク大手がトランプ大統領を追放する動きを受けて、ハイテク大手は今や「言論の自由の事実上の裁定者だ」と述べた。
「邪悪なファシスト独裁者が検閲され、選挙で退陣に追い込まれた」という見出しの風刺記事に返答したマスク氏は、「言論の自由の事実上の裁定者となっている西海岸のハイテク企業に大きな不満を抱く人は多いだろう」とツイッターで述べた。
あるツイッターユーザーは、「西海岸のハイテク企業は、『憎しみを煽る言論』を禁止することと、『自分が憎しむ言論』を禁止することを区別しなければならない」と書いた。
「これは重要な違いだ」とマスク氏は返答した。
別のツイッターユーザーは、「独裁者は検閲されることはない。検閲する方が独裁者だ」とコメントした。
マスク氏のコメントは、先週ハイテク大手が「さらなる暴力を扇動する危険がある」として、トランプ氏と支持者らのアカウントを封鎖したことを受けたものだ。
1月8日にツイッターがトランプ氏のアカウントを無期限に停止した後、インスタグラム、ツイッチ(Twitch)、フェイスブックなども同様の措置をとった。アップルとグーグルは、アプリストアからSNSアプリのパーラー(Parler、主に保守派によって使用されるSNS)を削除し、アマゾンはパーラーに対して、アマゾンウェブサービス(AWS)の提供を中止すると伝えた。
ツイッターがトランプ氏のアカウントを停止する前日、ミシェル・オバマ氏はハイテク大手に対してトランプ氏を永久に禁止するよう公式に呼びかけた。
同氏は声明で、「今こそシリコンバレーの企業は、この恐るべき行動を阻止する時だ。そして今以上の行動をとり、この男をプラットフォームから永久に追放し、国の指導者が彼らの技術を使って暴動を煽るのを防ぐためのポリシーを作るべきだ」と述べた。
ハイテク大手の動きは物議を醸している。賛成派は、民間企業だからそうする権利があると言う。反対派は、ベネズエラのマドゥロ氏やイランのロウハーニー氏のように、国民を暴力的に抑圧する独裁者でさえツイッターを使えるが、トランプ氏は使えないと主張している。
世界各国の指導者たちは、検閲は権力の乱用であり、政治的自由に対する脅威だと非難した。
シグナル(Signal)、テレグラム(Telegram)、ギャブ(Gab)、そして他のSNSアプリは、トランプ氏のアカウント停止の後、多くの新規ユーザーを獲得した。
マスク氏は今月、アマゾンの創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏を抜いて世界一の富豪になった。
(大紀元日本ウェブ編集部)