米連邦捜査局(FBI)は、1月6日に起きたワシントンの連邦議会議事堂襲撃事件で、ナンシー・ペロシ下院議長の事務室からノートパソコンやハードディスクドライブを盗んだとして容疑者の女を調査している。女はノートパソコンなどをロシアに売る計画を立てたという。
容疑者はペンシルベニア州在住のライリー・ジューン・ウィリアムズで、FBIが訴訟のため裁判所に提出した宣誓供述書の中で女の犯行内容を説明している。この供述書は17日に裁判官が署名している。
それによると、6日の犯行から数日間で、ウィリアムズに関する複数の目撃情報がFBIに届いた。そのうちの一人は彼女の元交際相手であり、6日の議事堂内と周辺の状況が映っているビデオにウィリアムズの姿があったという。
元交際相手は、ウィリアムズの友人との会話のなかで、ウィリアムズがペロシ議員の事務室からコンピューターやハードドライブを奪っている場面が映るビデオを見たという。
元交際相手の証言によれば、「ウィリアムズがロシアの友人にコンピューターなどを送り、その友人からロシアの外国情報機関SVRに売ることを計画していた」という。特別捜査官ジョナサン・ルンド氏が法廷報告書に書いている。
さらに、「ロシアへのコンピューター・デバイスの転送は不明理由で失敗した。ウィリアムズはまだコンピューター・デバイスを持っているか、すでに破壊した可能性がある。本件は調査中」だという。
ペロシ議員の事務所は、大紀元のコメント要請にすぐに応じなかった。
ペロシ議員の事務所のドリュー・ハミル代表は9日、議事堂の騒乱の間にペロシ議員のノートパソコンが盗まれたと発表した。そのパソコンは、プレゼンテーションだけに使用するものだったと説明した。
電子機器の窃盗にあったとされるのはペロシ議員だけではない。ジム・クライバーン下院議員(民主党、サウスカロライナ州選出)は自身とジェフ・マークレー上院議員もそれぞれ、電子設備とパソコンが盗まれたと発表した。
ペロシ議員の事務室に侵入して彼女の椅子に座り、盗んだ文書をメディアに披露したリチャード・バーネットという男は、8日、暴力と公共財産の窃盗で起訴された。
首都ワシントンのマイケル・シャーウィン連邦検事正代行は8日、記者団に対し、侵入者らは「ペロシ議員のオフィスを物色し、資料や郵便物、そして個人的な記念品まで盗んだ」と語った。
捜査当局によると、ウィリアムズ容疑者は逃走中。母親によれば、娘は「数週間留守にする」と言い、バッグに荷物を詰めて家を出たという。1月6日以降、電話番号を変更し、フェイスブックやパーラーなどのSNSアカウントを削除した。
検察はウィリアムズ容疑者を議事堂への不法侵入、暴力的侵入、議事堂敷地内での無秩序な行為で起訴した。
(ZACHARY STIEBER/翻訳編集・佐渡道世)