英紙タイムズ1月31日は、英国は知的財産と国家安全保障を保護するために、外国籍の研究者の審査を強化すると報じた。国家による系統的な知財窃盗が懸念される中国からの研究者や留学生は、入国が許可されない可能性があるという。
報道によれば、外務・英連邦省は、英国の大学に、国家安全保障分野で勉強または働く外国籍研究者に対してセキュリティ審査を実施する。英国企業の研究開発に従事する専門家も精査の対象となる。この措置は、人工知能、化学、物理学、数学、コンピュータサイエンスなど44の技術分野に影響を与えるとみられている。
諜報機関である英政府通信本部(GCHQ)はすでに、英国の大学に対して、「敵対国」から来た人が英国で「個人データ、研究データ、知的財産を盗み」、それを自分たちの「軍事、商業または権威主義的な利益」のために利用していると警告したという。
現在の英国の外国人大学院生の受け入れ管理規定である「アカデミック・テクノロジー承認計画(ATAS)」に基づき、英国の大学院で国防や軍事技術などの技術科目の学習や研究に従事する外国人は「ATAS証明書」を申請しなければならない。欧州連合(EU)、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国などの学生はATASの新措置の対象外である。
2018~19年の英国の中国人大学院生は7330人で、そのほとんどがATAS証明書を必要とする技術科目に従事している。また、今回の審査強化により、学術界に加えて、英国企業の関連分野の研究開発に従事する外国籍職員も「ATAS証明書」の申請が必要になるという。
(大紀元日本語ウェブ編集部)