英国のメディア監督管理当局、放送通信庁(Ofcom)は4日、中国政府系メディアである中国国際テレビ(CGTN)の放送免許取り消しを公表した。英当局は、CGTNは独立したメディアではなく、「最終的に中国共産党の管理下にある機関によってコントロールされている」と指摘した。
Ofcomが発表した声明は、英語による国際ニュースチャンネルCGTNの運営に関して、過去数カ月にわたり調査を行ったと示した。Ofcomは「調査は、CGTNの放送免許を保有する中国企業、スターチャイナ・メディア(Star China Media Limited)が実際にCGTNに対して編集責任を負っていないと結論付けた」とした。
英国の放送関連法令は、放送免許を持つ報道機関は政府の資金提供を受け取ることができるが、政治団体の管理を受けてはならないと定める。
Ofcomによると、スターチャイナ・メディアは昨年9月、放送免許を新たに設立した中国環球電視網会社(China Global Television Network Corporation、CGTNC)に渡すことで、当局に申し立てをした。しかしOfcomは、CGTNCが中国国営中央テレビ(CCTV)の傘下組織であるため、同社も中国共産党政権の管理下にあると懸念し、「放送免許の譲渡を承認しなかった」。
Ofcomは2019年9月、CGTNが香港民主化運動に関して公正な報道を行わなかったと指摘し、英国の放送関連法に違反したと示した。
Ofcomのスポークスマンは、「われわれはCGTNに対して、コンプライアンスを遵守するために多くの機会を提供したが、改善はみられなかった。CGTNの英国での放送免許取り消しは適切な判断である」と強調した。
CGTNの欧州本部は英ロンドンに構えているため、英政府の決定は、中国当局の欧州におけるプロパガンダ工作にとって大きな打撃になるとみられる。
OfcomがCGTNの免許の取り消しを発表した数分後、中国外務省は、英BBCが1月29日に報道した中国国内の中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染拡大について、「フェイクニュース」を流したとして、BBCの北京支局責任者に「厳正な交渉を申し入れる」と発表した。BBCは「正確で公正な報道を行った」とし、中国当局に反発した。
(翻訳編集・張哲)