英政府は過去1年間、報道機関の記者を装い、国内に潜入した中国人スパイ3人を国外追放したことが明らかになった。英紙「テレグラフ」が5日伝えた。
報道によると、この3人は中国情報機関である国家安全省(MSS)の情報部員だ。3人は、その身分を偽り、英国の報道関係者ビザを取得し入国した。
英政府の情報筋によれば、3人はそれぞれ異なる中国のメディアで勤務している。英情報機関MI5(国内治安担当)がこの3人の身元を突き止めた。
テレグラフ紙は、3人の勤務先となった中国メディア3社もスパイ活動に関わっている可能性が高いとの見方を示した。英政府の担当者は、中国人スパイが報道関係者に偽装して諜報活動を行うのはよくあることだとした。英政府は現在、英国版「外国代理人登録法」の導入を検討しているという。
米国の外国代理人登録法は、外国勢力の利益を図り、政治活動を展開する団体などに対して、連邦政府での登録や活動内容の開示などを義務付ける。この法令に基づいて、トランプ前政権は、中国国際テレビ(CGTN)を含む中国政府系メディアを外国代理人に指定した。
また、英タイムズ紙は1月31日、英政府が今月15日、中国のスパイ活動を締め付けるための新政策を発表する予定だと報道した。新政策の下では、今後「諜報活動に従事する可能性がある」と認定された中国人学生や研究者のビザが制限、または取り消される。
英政府は4日、「中国共産党の管理下にある」としてCGTNの英国内での放送免許を取り消すと発表した。
(翻訳編集・張哲)