ミャンマーの民間団体ジャスティス・フォー・ミャンマー(Justice for Myanmar)の最新報告書は、中国企業がミャンマー国軍に兵器とその関連備品を提供していると述べた。中国政府はこの主張を公式に否定した。一方、ネットに流出した動画には17日の夜、中国語を話す軍人の姿が映っている。
同報告書には、中国最大の国有兵器メーカー、中国北方工業を筆頭に、中国航空工業、中国航天科技、中国航天科工、中航技輸出入など5社の国有企業が名を連ねた。
国軍の10社以上のサプライヤーが中国や香港から資金提供を受けているという。ジャスティス・フォー・ミャンマーの広報担当者は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、2月1日の軍事クーデター後の大規模な抗議行動では、中国北方工業がミャンマー国軍に供給した武器が一般市民に使用されていると述べた。
ミャンマーの市民団体「テン緬援助協会」の張勝其会長はRFAに対し、中国企業がミャンマー国軍に武器を販売していることは公然の秘密だと語った。
張会長は、「10年前、中国政府は安全保障の防衛ラインを国境のある雲南省から南へ、そしてミャンマー北部へと移した。ミャンマー全体を安全地帯と見なしている」と話した。
同会長はまた、中国政府は「ミャンマーが米国に近づき、民主的に選ばれた政府による統治を望んでいない」と分析した。
国軍は昨年11月の総選挙で不正があったと主張し、1日にクーデターを起こし、政権を奪取した。
中国政府はミャンマーの軍事クーデターへの支持を明確に示していないが、ミャンマーの人々は、中国がクーデターの背後にいて、直接関与していると考えている。
17日、中部の都市マンダレーでは治安当局による発砲事件が発生した。兵士らに中国語で号令をかけている動画がネット上に流れた。
同日、ミャンマー最大の都市ヤンゴンにある中国大使館の外に集まった数千人の抗議者が、習近平国家主席をあざ笑うバナーやプラカードを掲げ、中国を非難した。ロイター通信の写真には、抗議者は習氏が操り人形師として描かれているプラカードを掲げている。プラカードには「国軍支援をやめて!」「ミャンマーの軍事独裁は中国製だ」と書かれていた。
中国メディアによると、クーデター以降、ミャンマー市民の中国政府に対する不満は高まっている。中国の航空機が技術者をミャンマーに輸送していることや、中国がミャンマーでインターネットのファイアウォールの構築を支援していること、中国の兵士がミャンマーに現れているなど、中国が国軍を支援しているといううわさがソーシャルメディア上で広まった。
10日、駐ミャンマー中国大使館はフェイスブック上で声明を発表し、中国からミャンマー行きの飛行機にIT技術者は搭乗しておらず、海産物(Seafood)などの輸出入品を輸送していたと述べた。しかし、ミャンマー市民は納得せず、この声明は嘲笑の的となった。市民らは「Seafood」を「オフショアおよびアウトソーシング開発のためのソフトウェア・エンジニアリング・アプローチ」(Software Engineering Approaches for Offshore and Outsourced Development)の頭文字を取ったものと解釈している。
中国大使は15日、ミャンマーメディアの取材で、再び中国軍の関与を否定した。
(翻訳編集・李沐恩)