米国は核を含むあらゆる能力で日本を守る=日米2プラス2

2021/03/17 更新: 2021/03/17

日米安全保障協議委員会(日米「2プラス2」)が3月16日、東京で開催された。双方が同時に発表したプレスリリースによれば、日本は国防能力の向上に決意を表明した。米国は、を含むあらゆる種類の防衛能力で日本を守るという揺るぎないコミットメントを強調した。そして中国を念頭に、日米同盟の抑止力・対処力の強化に向けた連携をより一層深めるとした。

米国と日本は、既存の国際秩序と矛盾する中国の行動が、日米同盟と国際社会に対し、政治的、経済的、軍事的、技術的課題を提示しているとの認識を確認した。また、ルールに基づく国際体制を損なう、地域の他者に対する威圧や安定を損なう行動に反対することで一致した。

四閣僚は、東シナ海及び南シナ海を含め、現状変更を試みるいかなる一方的な行動にも反対するとともに、中国による海警法施行などの破壊的な動きに深刻な懸念を表明した。また、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明した。

日米2プラス2では、日本側からは、茂木敏充外務大臣及び岸信夫防衛大臣が、米側からは、アントニー・ブリンケン国務長官及びロイド・オースティン国防長官がそれぞれ出席。四閣僚は、日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全及び繁栄の礎であり続けることを確認した上で、両国の日米同盟への揺るぎないコミットメントを新たにした。

四閣僚は、地政学的な競争や新型コロナウイルス、気候変動、民主主義の再活性化といった課題の中で、自由で開かれたインド太平洋とルールに基づく国際秩序を推進していく。

日本は自国の領土防衛にあらゆる手段を尽くすとしたうえで、双方は、尖閣諸島に対する日米安保条約第5条の適用を再確認した。また、同諸島に対する日本の施政を損なおうとする一方的な行動に引き続き反対することを確認した。

双方はさらに、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。また、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有した。また、北朝鮮の完全な非核化の実現に向けて、国連安保理決議の完全な履行の重要性を確認。日米及び日米韓3か国で引き続き協力していくことで一致した。また、拉致問題の即時解決の必要性についても確認した。

米国務省の発表によれば、3月12日に行われた日米豪印による戦略枠組み「クアッド」サミットは、「普遍的な価値観に支えられ、強制力に制約されない、自由で開かれた地域という共通ビジョンを世界に示した」とし、引き続きクアッドを通じた協力を行うことを確認した。また、双方はASEANの中心性及び一体性並びに「インド太平洋に関するASEANアウトルック」への強固な支持を確認しつつ、ASEANと協働することを誓約した。

(佐渡道世)

関連特集: