オランダ紙フォルクスクラント(De Volkskrant)は17日、同国電気通信事業KPNの内部調査報告を引用し、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は、オランダ当局者を含むKPN社のネットワークの利用者を盗聴できる状態だったと報道した。
同報道によると、KPN社の内部調査報告は2010年に作成されたものだった。KPNは2009年からファーウェイの通信技術などを導入し、ファーウェイ社員6人がKPNの本社に駐在していた。
オランダ情報機関当局、総合情報保安局(AIVD)からファーウェイがスパイ活動を展開している可能性があるとの警告を受けて、KPN社が内密に社内調査を行った。調査報告書はフランスのITコンサルタント会社、キャップジェミニ(Capgemini)が作成した。
同報告書は、ファーウェイは同社のサーバーを使用する、KPN社の電話回線利用者の通信を全部盗聴することが可能だと指摘した。このなかに、2002~10年まで首相を務めたヤン・ペーター・バルケネンデ氏や他の元閣僚ら、オランダに亡命した中国人民主活動家の通話回線も含まれている。
さらに報告書は、ファーウェイ側がオランダの警察当局や情報機関当局のどの電話番号を監視していたのかを解析できたと示した。
しかし、報告書は、KPN社に常駐するファーウェイの社員が直接盗聴したかを明確に示さなかった。
フォルクスクラント紙の報道を受けて、KPN社の担当者は地元メディアに対し、「ファーウェイ側が当社のネットワーク、または顧客システムからデータを盗み、あるいは盗聴した証拠はまだない」と示した。
(翻訳編集・張哲)