中国当局は、SNS上でワクチン接種後の死亡情報を検閲している。江蘇省南京市の女性はこのほど、ネット上でワクチン接種が原因で死亡の可能性があると投稿し、その後警察当局に拘束された。
江蘇省網警(ネット警察)は20日、中国版ツイッター、微博上での発表によると、南京市の女性市民が動画共有サイトで「(中国製の)新型コロナウイルスのワクチンを接種しないで。接種すれば死ぬかもしれない」との動画を投稿した。警察当局は「デマを流した」として同市民を7日間、行政拘留することを決めた。
深セン市で28歳の男性軍人が、中国医薬集団(シノファーム)が開発したワクチンを受けた15日後に死亡した。男性の姉が同日、微博に投稿して明かし、当局に説明を求めた。しかし、この投稿はネット検閲当局によって削除された。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中国国内のネット上には、22歳の女子大学生がワクチン接種を受けて亡くなったという情報もあった。女子大生は12日に急性脳溢血の症状が現れ、病院の集中治療室(ICU)に搬送されたと後輩は投稿した。病院側が家族に危篤通知書を送ったという。この投稿も当局によって検閲された。
武漢市民の陳達光さんはRFAの取材に対して、「ワクチンの副反応に関して、国内メディアは全く報道していない。ネットユーザーがこういう情報を投稿すると、政府はすぐ削除する。国産ワクチンに関して、私たちは不安を感じている」と述べた。
香港政府の発表では、香港で中国科興控股生物技術(シノバック)のワクチンを接種して亡くなった市民の数は、17日時点で累計15人となった。香港政府は2月26日にシノバック社のワクチンの接種を始めた。
中国疾病予防管理センター(CDC)の高福主任は10日、国産ワクチンの有効性は「高くない」と述べた。同氏によると、中国当局は予防効果を向上するためにワクチンの併用を検討している。
(翻訳編集・張哲)