欧州連合(EU)がこのほど作成した産業ロードマップに関する文書草案は、サプライチェーンの「戦略的依存関係」の評価結果を掲載した。米ブルームバーグが4月30日に報じた。
ブルームバーグが入手した資料によると、137品目の製品は「高度に依存」に分類されており、これは輸入総額の6%に相当する。これらの製品には、主にエネルギー集約型産業で使用される原材料や、医薬品の有効成分などが含まれている。
草案は、「依存度の高い製品の約半分は中国から輸入している」と指摘した。
ほかに製品名には言及しなかったものの、代替品が少なく、より脆弱な34品目を挙げた。そのうち約20品目はエネルギー産業用の原材料や化学品で、残りのほとんどは医薬品やその他の健康関連製品に必要なものだという。
また、EU各国が「最も親密な同盟国やパートナーの間で、より強力で多様な代替サプライチェーン」を構築することを検討すべきだと提言した。
草案は来週、最終決定される見通しだ。
最近、欧州各国は中国に厳しい姿勢を見せている。EUの執行機関である欧州委員会は、コロナ禍後に外国企業が、割安な価格で欧州企業を買収する動きを阻止するための法案を5月5日に発表する。主に補助金を受けている中国の国営企業が念頭にあるものとみられる。
昨年、中共ウイルス(新型コロナウイルス)が欧州各国で猛威を振るい、世界のマスクの半分を生産する中国はマスク外交を展開した。劣悪なマスクや基準値を満たしていないコロナ検査キットを販売するなど、ヨーロッパで混乱を起こした。コロナ禍でサプライチェーンの対中依存の深刻さが露呈し、サプライチェーンを再構築する動きが出ている。
(翻訳編集・李沐恩)