中東ドバイで地元当局に拘束された中国人男性、王靖渝さん(19)は27日、釈放されたことがわかった。王さんは現在、トルコに滞在しており、28日以降渡米する予定。しかし、王さんの救出のために現地入りした恋人は現在、消息不明となっている。
王さんは今年2月、中国当局が発表した昨年の中印国境衝突で中国軍兵士の死傷者数に関して、ネット上で疑問を呈し、当局を批判する書き込みを投稿した。このため、王さんは中国当局に指名手配された。
4月5日、王さんは滞在先のトルコ・イスタンブールから米国ニューヨーク行きの飛行機に乗り、ドバイで乗り継ぐ時、地元当局に拘束され、パスポートも没収されたと話した。地元当局は、王さんの身柄を中国当局に引き渡そうとした。
今月27日、王さんはツイッター上で、無事釈放され、トルコにいることを報告した。
王さんは同日、大紀元の取材に対し、「私の救助にあたって、米政府などに働きかけてくれた皆さんと海外の各メディアに感謝する」と述べた。
在米中国問題評論家で牧師の郭宝勝さんは、王さんの救助活動に関わった。「私たちは、アラブ首長国連邦の駐米国大使館に行き、陳情を行った。また、米主流メディアや人権団体に手紙を送り、王さんが拘束されたことを報道するよう求めた。米国務省の担当者にも連絡した」と話した。
王さんによると、突然、地元当局に釈放されたという。しかし、空港までは「目隠しされ、手錠をかけられた」。また、飛行機に乗り航空券を渡されるまで、「今からどこに向かうのかがわからなかった」という。王さんは、地元当局から、現金やパソコン、銀行のキャシューカードを返却されていないと訴えた。
王さんは、自身を救出するために4月、中国からドバイ入りし、その後、消息を絶った恋人を危惧している。
「ある日の午後、彼女から突然電話が入ってきた。ホテルの部屋にいたところ、中国大使館の職員と地元警官が一緒に入ってきた。彼女はトイレに行くふりをして電話をかけてくれたが、その後、音信が途絶えた」
王さんは、中国大使館には地元警察を動かす権利はないと非難し、恋人に対する拘束は「テロ組織による拉致と同じだ」と憤慨した。
(記者・顧暁華、翻訳編集・張哲)