ベルギー外務省は28日、駐韓ベルギー大使のピーター・レスクイエ(Peter Lescouhier)氏が数週間以内に辞任すると発表した。同大使の妻が4月、ソウル市内の衣料品店で店員に平手打ちを食らわせた映像がネットで炎上し、批判が殺到した。
ネット上で拡散した映像には、大使の妻である相雪秋氏がソウル市内の衣料品店で何度も試着したり、靴を脱がずに直接白いズボンを試着する様子が映し出されていた。
彼女は店内で約1時間にわたって服を試着した後、何も買わずに店を出た。その直後、万引きを疑った店員がその後を追い、着ていた服について私物かどうかを確認した。
勘違いと判明した後、店員はすぐ謝罪したが、盗みを疑われたことに腹を立てた大使夫人は、再び店に戻り、レジカウンターへ侵入した。怒りをあらわにした相氏は、謝り続ける女性店員を突き飛ばした。恐怖に駆られた店員は後ずさりしていたが、大使夫人はそこへ仲裁に入った別の店員の顔にも猛烈なビンタを食らわせた。
店側は警察に通報した。殴られた店員の顔は真っ赤に腫れあがった。彼女は地元メディアに、「襲われたとき、女性客は自信たっぷりな様子で、申し訳ないという感じはなかった」と話した。
警察側は後に大使夫人が外交特権を行使して刑事訴追を免れる意向を示したため、追及しない方針だと発表した。これを受け、韓国世論の怒りが噴出し、大使館前でのデモや抗議行動にまで発展した。
のちに大使夫人は中国出身だと判明し、大使夫妻が被害者に直接謝罪するよう求める声が多数寄せられた。
レスクイエ大使は、「いかなる状況であれ、妻の行動は受け入れられない」と謝罪した。
ベルギー外務省によると、夫人が同店の店員と面会し、自身の「容認できない行為」について謝罪し、警察にも協力するとしている。また、韓国警察の要請により、同氏の外交特権が取り消されたと付け加えた。
(大紀元日本ウェブ編集部)