東京五輪・パラリンピックまで50日となった6月3日、大会組織委員会は表彰式で使用される表彰台や音楽、メダルトレイ、メダルを運ぶボランティアの衣装などを発表した。表彰台は大会史上初となる使用済みプラスチック容器を再生利用したリサイクルプラスチックで作られている。
表彰台の作製にあたって、大会委員会およびパートナー企業P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)などが「みんなの表彰台」プロジェクトを実施した。2019年から9カ月間、消費者から使用済みプラスチック容器24.5トンを回収。海洋プラスチックごみ0.5トンと合わせて、表彰台全98台の作成に使用した。容器回収には全国113の学校、2000店舗のドラッグストアやスーパーマーケットが参加した。
表彰台のデザインは、東京2020オリンピック競技大会のエンブレムを手掛けた野老朝雄氏が担当した。側面は伝統的な意匠「組市松紋」がイメージされ、藍色に塗られている。製造過程では3Dプリンターが使用され、リサイクルプラスチックでパーツを量産するという日本の高い技術も取り入れられた。
音楽は、現在放送中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」を手がける作曲家・佐藤直紀氏が担当した。大会では計878回の表彰式を予定している。
持続可能をコンセプトにする東京五輪・パラリンピックでは、選手に授与される4800個あまりの金・銀・銅のメダルも、使用済みとなった携帯電話・パソコン等の小型家電から回収した「都市鉱山」から製造されている。
大会組織委員会の橋本聖子会長は、日本がウイルス問題に取り組む最中においても、大会開催には100%の確信を持っていると述べた。
(佐渡道世)