米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の所長、アンソニー・ファウチ氏の何千通もの電子メールが公開され、彼がCOVID-19について知っていたことを全て公表していなかったと批判が広まっている。
これを受けて、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は3日、「17ヶ月前のメールの内容について話すことは控えたい」と述べ、コメントを避けた。
これらの電子メールは、複数の報道機関が情報自由法(Freedom of Information Act)に基づき要請し、先週入手したものだ。
批判の的になっている2020年2月のメールの中で、ニューヨークの非営利団体エコヘルス・アライアンスの代表、ピーター・ダスザック氏がファウチ氏に送ったものが含まれている。ダスザック氏のグループは、ファウチ氏がトップを務めるNIAIDから数十万ドルを受け取り、それを研究資金として武漢ウイルス学研究所に提供していた。
しかし、同研究所がCOVID-19パンデミックの起源だと指摘する声が最近高まっている。
昨年、ファウチ氏がメディアに登場し、ウイルスが武漢ウイルス学研究から発生したものではないとの見解を示したあと、ダスザック氏はファウチ氏へメールを送り、「私たちのスタッフと協力機関を代表して、個人的なお礼を言いたい。あなたは公に立ち上がり、科学的証拠はCOVID-19の自然起源を示しており、武漢ウイルス学研究所からではなく、コウモリから人への感染が原因だと述べてくれた」と書いている。
ファウチ氏は「親切な手紙をありがとう」と返信した。
ファウチ氏は、NIAIDがバクテリアとウイルスの「機能獲得」 研究に関わっていたことを全面的に否定した。彼は3日、MSNBCに対して、「武漢の研究室で起こっている全ての事を保証することはできない」と話し、彼の電子メールは「正しい情報とデータを手に入れるためのものだった」と述べた。
「彼らが理解していない事は、科学はダイナミックなプロセスだという事だ」と彼は続けた。
ダスザック氏は武漢ウイルス学研究所からのリーク説を強く否定している。ファウチ氏は3日にCNNに出演した際、ダスザック氏へ送ったメールについて尋ねられたが、自身が昨年リーク説の可能性を故意に過小評価したという批判は「馬鹿げている」と話した
「私はいつも言ってきたし、今日もそう言うつもりだ…もっとも可能性の高い起源は動物から人間への感染だと今でも信じている。しかし私は完全に心を開いている。もし他の起源があるなら、別の理由があるかもしれない。実験室から漏れたのかもしれない」と彼は続けた
一方、共和党議員らは、ファウチ氏の電子メールの中の、訂正で黒塗りにされた部分を公開するよう要求し、彼が議会で証言すべきだとしている。
(大紀元日本ウェブ編集部)