浙江・江蘇省の複数大学で抗議デモ 大学合併計画に反発 学歴の格下げを懸念

2021/06/08 更新: 2021/06/08

中国江蘇省浙江省では4日、当局による大学の合併計画に反発する大学生数千人が抗議活動を展開した。合併による学歴の格下げを懸念したためだ。

中国教育部が昨年5月、国・公立大学(母体大学)に附属する独立学院を職業大学に合併させる方針を打ち出した。独立学院で取得可能な学士号は、3年制の専科学校から格上げされた職業大学では取得できなくなる恐れがある。公務員の採用や進学、就職の際に不利になると言われている。

独立学院の入学基準は一般的な4年制大学より低いが、学費は高めである。しかし、母体大学の卒業生として認められるため、一部の学生には人気だ。

今回の抗議活動は、杭州電子科技大学信息工程学院、浙江財政大学東方学院、中国計量大学現代科技学院、南京師範大学中北学院など複数の大学に広がった。

4日、浙江工業大学之江学院で学生らは横断幕を広げ、デモ行進を行った。保護者らも教育庁前で抗議活動を行った。

5日、浙江工商大学杭州商学院で学生らは「合併拒否」とシュプレヒコールをあげながら院内を練り歩いた。

浙江工業大学之江学院での抗議デモ(ネット写真)

 

浙江工商大学杭州商学院の大学生らは当局あての請願書で、合併を中止しなければ、「授業のボイコット、学費の支払い拒否、デモの開催」などさらなる抗議活動の展開を宣言した。

南京師範大学中北学院の学生らは請願書で、「4年制本科大学の卒業資格を永久に変更しないことを約束する」よう求めた。

中北学院の学生は大紀元に対して、同大で6日に行われた抗議活動に3千から4千人が参加したと述べた。翌日、校門は警察によって封鎖されたため、学生と警官の間で小競り合いが起きたという。学生に負傷者が出たもようだ。

衝突は8日まで続いた。同日早朝、多数の警官がキャンパスに侵入し、学生らを殴打したり、トウガラシのスプレーを噴射したりした。現在、多くの学生と連絡が取れなくなった。

デモの拡大を受け、浙江省教育庁は5日、同省での合併計画を全面的に中止すると発表した。江蘇省教育当局も7日、同様の決定を下した。

浙江工商大学は合併計画の撤廃を通達した。

同大の卒業生は大紀元に対して、「就職難、進学難の中国では、学歴は学生にとって人生を左右する大事なものだ」と抗議活動に理解を示した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

 

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