中国メディアによると、中国疾病予防管理センターの研究員で、世界保健機関(WHO)ワクチン研究開発委員会の顧問を務める邵一鳴氏はこのほど、中国製の新型コロナウイルスワクチンは「感染を予防するもの」ではなく、「発病を防ぐためだ」と述べた。この発言は中国で物議を醸した。
中国紙・毎日経済新聞7日付によると、邵氏は同紙に対して「(中国製)ワクチンを接種しても感染するという状況はあり得る」と話した。
同氏は、ワクチンの保護作用には、「感染防止」「発病防止」「伝播防止」の3段階があるとした。「感染防止」は最も理想的だが、中国製のワクチンは「第2段階の『発病防止』に位置づけられており、感染防止のためではない。だから、一部の市民はワクチンを受けても、感染する可能性がある」と述べた。
中国版ツイッター、微博(ウェイボー)では、邵氏の発言をめぐってユーザーが相次いでバッシングした。
「感染を防げないなら、ワクチンと言えないだろう」
「邵先生はワクチンを打ったのか」
「今まで生きてきて、初めてワクチンは感染を防止するのではなく、発病を防ぐためにあると知った。ここ(中国)では、何でもありだな」
「国民に人体実験を行っている」
ポータルサイト「網易(ネットイース)」では、一部のネットユーザーが毎日経済新聞の報道について、「また変な知識が増えた」と皮肉った。
中国製ワクチンの有効性について、疑問の声は今まで絶えなかった。
現在、感染が広がっている中国広東省では、同省広州市の1000万人以上の市民が中共ウイルス(新型コロナウイルス)のワクチンを接種したと、当局が発表した。市内人口の約6割が接種したという。
しかし、市衛生当局は9日の記者会見で、5月21日~6月8日までの市内の新規感染者数は115人となったことを報告した。市政府は7日、感染者が多く確認された地域の農産品市場を閉鎖すると決定した。また、市民に対して、スマホでの「健康QRコード」の提示がなければ、飲食店や医療機関への出入りを禁止する措置を取った。
また、海外メディアの報道によると、タイ女子バレーボール代表チーム選手とスタッフは、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルスワクチンを受けたにもかかわらず、5月、新型コロナウイルスの感染が確認された。
パキスタンのイムラン・カーン首相は3月、中国医薬集団総公司(シノファーム)のワクチンを受けた後に、感染が判明した。
(翻訳編集・張哲)