香港警察は17日、香港国家安全維持法(国安法)に違反したとして、中国当局に批判的な香港紙、蘋果日報の編集長ら5人を逮捕した。18日、同社は新聞紙の発行部数を通常の7万部から50万部に増刷した。市民は相次いで新聞を購入し、蘋果日報を応援した。
警察当局は17日、蘋果日報の本社ビルに入り、家宅捜査を行い、幹部らを拘束した。当局は、同紙の資産、計1800万香港ドルを凍結した。
蘋果日報は同日、読者に向けた声明の中で「今は香港にとって最も暗黒な時代だ」と批判し、「夜明けを迎えるために最後まで戦う」と表明した。
昨年8月、香港当局は蘋果日報の創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏を拘束し、家宅捜査を行った。当時、市民は同紙を大量に購入して支持した。同社は18日、発行部数を50万部に増やした。普段の発行部数は1日当たり7~8万部である。
同社によると、発行部数を拡大したため、印刷工場の3つの印刷ラインがフル稼働となった。
旺角(モンコック)地区の新聞販売コーナーでは、18日未明にすでに40人余りの市民が並んでいた。市民らは1人10部ずつを購入していた。また、飲食店の経営者1人は100部を買い、「常連客に配る」と話したという。
市民らは、当局の締め付けによって蘋果日報がなくなるのではないかと懸念を強めている。1人の市民は「将来、メディアは政府にとって都合の悪いニュースを報道しなくなるのではないか」とした。
米ラジオ・フリー・アジア(VOA)は、昼頃に新聞が入手困難になったと報じた。
米国務省のプライス報道官は17日、蘋果日報の幹部ら5人が逮捕されたことは「政治的な動機に基づいたものだ」と強く非難し、中国当局による独立した報道機関への不当な圧力を停止するよう求めた。
英国のラーブ外相はツイッター上で、国安法は「国家安全」を守るためではなく、「反対意見を封じ込めるためにある」と糾弾した。
(翻訳編集・張哲)