昨年、中印国境衝突が発生してから、インドのモディ首相が提唱する産業振興政策「メイク・イン・インディア(Make in India)」の下で、同国の国防・軍需産業が回復している。
日経アジア19日付によると、インド政府は5月、海外メーカーから購入を禁止する軍事物資対象品目をさらに108品目増やし、そのリストを発表した。昨年8月に実施した軍事輸入禁止の対象品目と合わせて、209品目となった。
昨年の輸入禁止リストには、アサルトライフルや、軽戦闘ヘリコプター、レーダーシステムなどが含まれた。今回は、国境監視システムや戦場監視レーダーなどがリストアップされた。
報道によれば、インド政府は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染急拡大で国内経済が大打撃を受けたため、国内製造業を振興するとした。同国政府は1月、航空機製造メーカーのヒンドスタン航空機(Hindustan Aeronautics)から戦闘機83機を購入することを承認した。約500社のインド企業が今後、国産航空機の製造プロジェクトに関わると予想されている。
いっぽう、インドと中国の両軍は国境で緊張感が依然として続いている。
報道は、ジャワハルラール・ネルー大学中国研究科のスリカント・コンダパッリ教授の話を引用し、中印両軍は2月に国境のパンゴン湖地区からそれぞれの軍部隊を撤退させて以降、他の係争地域から部隊撤収の動きはみられなかったと指摘した。教授は、中国との関係正常化は難しいとした。インド政府が新たに軍事物資輸入禁止対象を発表したのは、この現状の表れであるとみられる。
(翻訳編集・張哲)