共産党100周年イベント、「華やかさの下に隠された強い不安感」=学者

2021/07/05 更新: 2021/07/05

中国共産党は7月1日、創立100周年を迎え、盛大な祝賀イベントを開催した。人権団体の学者は「華やかさの下にあるのは、強い不安感だ」と指摘した。

米ニューヨークを拠点とする人権財団(Human Rights Foundation、HRF)の上級戦略責任者であるJenny Wang氏と、若手研究者のJoyce Ho氏は1日、米政治専門紙「 ザ・ヒル(The Hill)」電子版に寄稿した。

「豪華な100周年祝賀イベントは、共産党の人権侵害に対する世界の注目をそらし、国民の愛国心と忠誠心を刺激することを目的としている。全ては中国当局が綿密に計画したものだ」

「実際、背後にあるのは、強い不安を感じている暴君と人心がバラバラになった政党だ。彼らは歴史を改ざんし、世界中の世論ツールを支配することによって、権威社会の安定を必死に維持しようとしている」と指摘した。

記事は中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生を隠蔽したことにも言及し、「今この巨大なプロパガンダ機構は依然として中国共産党のために隠蔽、洗浄、賛美を続けているが、世界は徐々に中国共産党の本当の顔を真に認識し始めている」とした。

米世論調査機関のピュー・リサーチ・センター(ピュー研究所)は中国共産党創立100周年を控えて、17カ国の成人1万8900人を対象にアンケート調査を実施した。その結果は6月30日に発表され、回答者の69%が中国に対して否定的な見解を持っていることがわかった。

中でも、日本は88%と最も高かった。スウェーデン80%、オーストラリア78%、韓国77%、米国76%、台湾69%、ギリシャ42%、シンガポール34%となっている。米国の結果は昨年より3ポイント上昇している。

記事は、調査結果は「中国政府が民主と自由を尊重しなかったこと、また習近平氏の拡張主義に対して人々が懐疑的になっていることを示している」と指摘した。

Jenny Wang氏らの寄稿文は、世界が徐々に覚醒していることについても言及した。

米国では、各党派が中国当局の長年にわたる人権侵害を非難する力を強めたとした。中国共産党創立100周年の際、マイク・ ギャラガー(Mike Gallagher)下院議員とルーベン・ギャレゴ(Ruben Gallego)下院議員は、中国共産党の大躍進から現在進行中のウイグル人へのジェノサイドまで、一連の深刻な人権侵害を非難する決議案を提出した。

また民間では、世界各地にいるウイグル人、チベット人、香港人、台湾人によって組織された180以上の団体が、国際社会に対し、2022年の北京冬季オリンピックのボイコットを呼びかけている。

「現在、世界経済はパンデミックから回復の兆しを見せている。中国共産党の表面は華やかに見えても、世界がすでにそれを見抜き始めていることを、中国共産党は忘れてはならない」と寄稿で指摘した。

(翻訳編集・李凌)

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