菅義偉首相は7月4日、総理官邸で静岡県熱海市の大雨に関する2回目の関係閣僚会議を開催した。菅総理は被災者に見舞いの言葉を伝えるとともに、関係閣僚に全力を尽くすよう求めた。5日には首相自らがトップを務める非常災害対策本部を設置した。被災地では現在も救命救助活動が行われており、所在が確認できていない住民の数は80人となっている。日銀と財務局は金融機関に対し、被災者の預金払戻し手続きの簡便化を図る措置を取っている。
菅総理は会議で各大臣に対して、人命を最優先し二次災害に注意を払いつつ、地方自治体と緊密に連携して救命救助活動と安否不明者の捜索、被災者支援に全力を尽くすよう要請した。
そのうえで菅総理大臣は「今回の梅雨前線は、引き続き各地で大雨を降らす可能性がある。地盤が緩んでいることから、雨がおさまってからも、土砂災害が発生する恐れがある」と指摘した。そして国民に対し、居住している地域のハザードマップを改めて確認し、危険な場所に近づかないことや、気象情報や避難情報などに十分注意し、早めに命を守る行動をとるよう呼びかけた。
静岡県熱海市で起きた土石流による災害で、少なくとも3人の死亡が確認されている。
また、NHKの報道によると、所在が確認できていない住民の数は113人から80人になった。また、静岡県は救助活動を速めるため、被災地域の住民に対し安否を知人等に知らせるよう呼びかけている。
金融機関 災害救助用を適用
被災者の生活を保障するため、日本銀行と東海財務局は金融機関に対し、大雨等により災害救助法が適用された静岡県熱海市の被災者が、預金等の払戻しなどを求める場合は、状況に応じて柔軟に対応するよう要請した。
具体的には、通帳や印鑑を紛失した場合でも、本人確認ができれば払戻しに応じることや、定期預金、定期積金等の期限前払戻しに応じることなどである。
また、日本銀行と東海財務局は証券会社や生命保険会社、損害保険会社等に対しても、有価証券の払戻しや保険金の支払いなどで被災者に便宜を図るよう要請した。
土砂災害の現場一帯では、警察や消防、自衛隊、海上保安庁を中心に1500人を超える態勢で救命救助活動を行っている。
(王文亮)