ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は5日の記者会見で、「政府は臓器移植の問題について中国政府に提起した」と述べた。同国のルイザ・ウォール(Louisa Wall)国会議員(与党・労働党)の中国当局による臓器狩りを非難したことを受けたものだ。
対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)のニュージーランド側議長を務めるウォール議員は、国営ラジオ放送ラジオ・ニュージーランド(RNZ)の番組「レッドライン」(Red Line)のインタビューで、中国当局により法輪功学習者など良心の囚人から強制的に臓器を摘出していると非難した。
ウォール氏は、「法輪功学習者や新疆ウイグル人は良心の囚人に認定されている。彼らが奴隷であることも、臓器強奪に遭っていることも私たちは知っている」と述べた。
ウォール氏の告発は、英ロンドンに拠点を置く独立法廷「中国法廷(China Tribunal)」の調査報告書に基づいている。
600ページに及ぶ同報告書は、中国では臓器移植のために良心の囚人が今も殺害されていると主張し、その過程で多くの人々が「悲惨な死を遂げた」と指摘した。
ウォール氏は政府に対し、国民が中国、または臓器提供プログラムの完全性を検証できない国から臓器移植を受けるのを防ぐための立法を求めた。
また、「中国の非人道的な行為に対抗するために、さらなる努力が必要だ」と政府の取り組みが不十分であることを批判した。
アーダーン首相によると、ニュージーランドは、ドナー提供の協定を結んでいるオーストラリアを除き、いかなる国からも臓器を輸入していないという。
「私たちは政府として、中国に対して臓器移植の問題を提起し、この問題に関する最新情報や、同意と透明性のための政策改革を求めてきた」と政府の取り組みを説明した。
国営ラジオRNZの報道によれば、アーダーン首相もナナイア・マフタ(Nanaia Mahuta)外相も、「レッドライン」の番組の取材を断っていたという。
これに対し、同国カンタベリー大学の中国問題専門家、アン=マリー・ブレイディ(Anne-Marie Brady)教授は、「我々の国会議員の間には、中国共産党に批判的なことを言ってはいけない。また中国というワードに、いかなるマイナスな言葉で言及してもいけないという約束があるようだ」とRNZにコメントした。
RNZの「レッドライン」は同国における中国(共産党)の影響を調査するシリーズ番組。
(翻訳編集・李凌)