中国河南省では20日、豪雨に見舞われた。省都の鄭州市で地下鉄が浸水し、乗客300人が車内に閉じ込められ、水位は胸の高さまで達したという。この雨ですでに12人が死亡したと新華社が報じた。
20日、複数の地下鉄駅が停電となり、ポンプによる排水の作業が中断した。午後6時からトンネルの中に停車した地下鉄五号線では、酸欠で意識不明になった乗客が相次いだ。午後9時になってようやく救出作業が始まった。妻を助けるために現場に駆けつけた男性は「目の前で亡くなった方がいる」と中国メディア・南方週末に話した。
インターネット上に掲載された動画では、駅ホームで乗客数人が意識のない状態で横たわっている。
市民の李さんは大紀元に「市内のあちこちで車が流されている。たくさんの人が死亡した」と被害が深刻であることを話した。
鄭州大学第一付属病院も同日、浸水被害に遭い、断水・停電が続いている。当時、外来棟に患者1万人が立ち往生していたという。
同市内では17日から強い雨が降り、20日までに年間降水量の640mmを超える降水があった。主要河川の堤防が決壊したほか、十数都市で道路が冠水。数百万人の生活に影響が出ている。
同省鞏義市でもここ数日、強い雨が降り、同市気象局の局長が20日午前、水に流され、午後になって救助された。電力系統と通信システムがダウンしたため、気象情報の更新を中断した。
(翻訳編集・李沐恩)