岸田文雄前政調会長は17日、自民党総裁選の所見発表演説会で自身の抱負を語り、政治そして経済分野における転換を訴えた。自民党が抱える問題の解決についても言及し、旧態依然とした現状を打破するための政策を打ち出した。
岸田氏は演説の冒頭で、新型コロナウイルス感染症への対応やデジタル庁の創設など、菅総理の業績を挙げ、敬意を表した。そして前回の総裁選での敗北とその後の努力に言及し、「求められているリーダーは私であると強く確信している」と述べた。
地元広島の商店街で女性から声を掛けられたとの話を取り上げ、国民の声を聴くことの大切さを強調。「丁寧で謙虚な政治、多様な意見に寛容な政治」を行っていくとした。
岸田氏は、一部の影響力ある人物により自民党が牛耳られるのを防ぐため、定年制の導入や役職の任期制を導入すると述べた。地方との連携を強化し、意見を党運営に活かす手段も取り入れる。
国民の声を丁寧に聞くこと、個性と多様性を尊重する社会を作ること、そして皆で助け合う社会を目指すという「三つの約束」を提示した。
経済面では、現行の新自由主義的な政策を転換し、貧富の格差を縮小する新しい日本型の資本主義を構築し、全国に経済成長の恩恵をもたらすと語った。
安全保障問題については、基本的価値観を共有する民主主義国家と連携し、台湾海峡などの課題に毅然と対処していく考えを示した。そして「わが国の領域を守り抜く」と強調した。
最後に、岸田氏は今秋の衆議院選挙と、来年夏に予定されている参議院選挙に触れ、「選挙に勝利し国民の負託に答えたい」と述べた。
(王文亮)