千葉県北西部を震源とする地震が7日夜に発生した。気象庁によると、東京都足立区や埼玉県川口市、宮代町で震度5強を観測したほか、関東地方の広い範囲で震度2~4を記録した。首相官邸によると、この地震により原子力関連施設等の異常は報告されていない。岸田首相は8日の記者会見で、「東京23区内で震度5強以上の地震が発生するのは10年ぶり、東日本大震災以来」と述べ、情報収集と復旧に務めると強調した。
岸田首相は7日夜の地震発生直後、早急に被害状況を把握すること、地方自治体とも緊密に連携して災害応急対策に取り組むこと、国民に対し避難や被害等に関する情報提供を行うこと、被害の拡大防止の措置を徹底することの4点を、各関係省庁に指示した。
岸田首相の指示を受けて、岸防衛相は、早急に本地震による被害状況を把握できるよう関係府省庁及び自治体と緊密に連携し、情報収集に努めること、今後の状況の推移に的確に対応するとともに、陸海空自衛隊が緊密に連携しつつ、人命救助を第一義として活動を実施する等、対応に万全を期すこと、との指示を発出した。
防衛省によると、地震による自衛隊東京大規模接種センターへの影響はないとして、8日も通常どおり運営している。
消防庁の8日6時半の発表によると、この地震による負傷者は重傷が3人、軽症が29人確認された。建物の被害は、草加市で建物火災が発生し、2時半ごろ鎮火した。袖ヶ浦氏の製油所で火災が1件発生し、1時ごろ鎮火した。
東京都ではエレベーターの閉じ込めが5件発生したが全て朝には解消した。日暮里舎人ライナーは運行を停止し、車両内にいた3人が軽傷を負った。
気象庁によると、大地震発生から1週間程度の間に同程度の地震が発生した事例は1~2割程度あるとして、今後の地震にも注意を呼びかけた。
東京都水道局によれば、地震により東京23区で漏水が23カ所確認されたが、水道管の破裂や損傷はなく、「水道管付属設備である空気弁等の不具合」が原因だという。朝6時には全て修理が完了した。
(佐渡道世)