新疆ウィグル族の人権活動家、ノーベル平和賞の候補者に

2006/09/14 更新: 2024/04/22

【大紀元日本9月14日】新疆ウィグル族の人権活動家・ラビヤ氏(女性、59歳=米国在住=)が、次期ノーベル平和賞の候補者に推薦された。同氏は「全世界の自由を求める人々が皆平和的な方法で各自の問題を解決できることを願っている」とコメントした。

スウェーデン議会議員アネリー・エノクソン氏(Annelie Enochson)は11日、米国VOAの取材で、ノーベル賞の選考委員会に、米国に脱出したラビヤ氏を次期ノーベル平和賞の候補者に推薦したことを明らかにした。

エノクソン議員は推薦の理由について、「新疆自治区には約800万人のウィグル民族がいる。彼らは民族の伝統や、文化と宗教を守るために奮闘し続けている。ラビヤ氏は彼らの母のような存在だ。800万人からなるウィグル族が平和を求める活動をする上で、彼女をスポークスマンとすることは、非常に重要である」と説明した。

ラビヤ氏は90年代初め、新疆ウィグル自治区で企業を経営する実業家だった。1993年には全国人民政治協商会議の委員になり、ウルムチ商工会議所の要職にもついた。1995年、北京で開かれた世界女性会議に中国代表の1人として参加した。中共政権によるウィグル族への政治のやり方に疑問を持っていたラビヤ氏は、政協会議で政府に批判的な演説を行ったりしたため、次第に中共政権から睨まれる存在になり、政協委員も解任された。そして、夫シディク氏は1996年、ついに米国へ政治亡命するに至った。

ラビヤ氏は1999年8月、政治犯の名前を書いた新聞をアメリカの夫に送ろうとしたため、「国家安全危害罪」で懲役8年の判決を受け、収監されてしまった。同氏は監禁中、主に精神的な拷問を受けていたという。投獄中の2004年には、新疆ウイグル自治区での慈善活動、人権運動の業績がノルウェーのラフト財団により認められ、金大中、アウンサンスーチー、エバティ、ホルタらも受賞したラフト人権賞が授与された。

アメリカやヨーロッパの人権団体の運動もあって、ラビヤさんは2005年3月に釈放された。現在、ラビヤ氏の11人の子どものうち、6人は海外に在住、残りの5人は中国に留まっている。そのうちの3人は監禁され、1人は軟禁状態にある。

「世界ウィグル族代表大会」(本部・ドイツ)のスポークスマンであるディリシャティ氏は、「ラビヤ氏がノーベル平和賞を受賞できれば、新疆ウィグル族および、アジアのモスリム女性が自分の正当な権利を求める闘争に重要な意義をもたらす」と述べ、「この賞は彼女だけに与えるものではなく、全ウィグル民族の賞である。新疆ウィグル族は長い間平和的な方法で自分達の権利を求め続けてきたからだ」とコメントした。

ラビヤ氏は候補者に推薦されたことについて、「非常に喜ばしいことだ。この賞が授与されることを願っている。私は、平和的に新疆ウィグル族の問題を解決することや、全世界の自由を求める人々が平和的に各自の問題を解決すること、そして中共政権が私の子どもたち、および罪のない政治犯を釈放することを願っている」と発言した。

ラビヤ氏は現在もアメリカで、中共政権によるウイグル人への弾圧に対し、命がけで激しい批判を続けている。米国議会で開かれた公聴会の席では、ウィグル族に対する中共のやり方を批判したとして受けた違法逮捕、虐待や暴行なども証言した。中共外交部の幹部はラビヤ氏の証言について、米国政府が「中国で犯罪活動をしていた人物」に発言の機会を提供したと非難した。

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