【大紀元日本6月2日】北京の軍高官が2日、米中間に「軍事ホットライン」を創設することを明らかにした。中国人民解放軍の章沁生・副参謀総長が本年9月に米国を訪問すれば、中国人民解放軍と米国防総省で決めるとしている。米政府は、中国の軍事増強に警戒感を強めていることから、軍事関係の改善を目指す動きとみられる。ロイター通信が伝えた。
章・副参謀総長がシンガポールでのアジア安全保障関連の会議(主催・国際戦略研究所=英国)で「我々はホットラインの創設を決めるだろう」と発表した。本年9月に第9回米中軍事会議を持つ予定で、その中でホットライン創設を決めるという。
章・副参謀総長は、前国防長官のウイリアム・コーエン氏などから、中国軍事力の透明性について質問されたが、中国の基本原則は「自衛」であると繰り返した。
米国防総省が3月に発表した報告書では、中国政府は軍事衝突の引火点として台湾海峡に注目しており、そのほかでも中国は軍事力増強を目指しているとして、中国の軍事予算規模を問題視した。
中国政府は、2007年軍事予算を前年比17・8パーセント増の約450億ドル(約5兆4900億円)としているが、米国の情報機関は、中国軍事関連の実際は、850億ドルから1250億ドルの間と推定している。
副参謀総長は、中国政府の発表の数字は適切なものであると主張し、軍事費が増えたのは国土が広いことであり、台湾がを依然として脅威と見ており、そのほか物価上昇、兵士の福祉向上や後方支援の改善などが要因と説明した。